美しい入江で牡蠣を味わいながらクルージング

11人乗りの船。小さめの屋形船をイメージした大きさくらい。
船の乗り場に続く道にはおしゃれなカフェも並んでいる。

 もうひとつ、ボルドーの新しい楽しみ方を。

 パリジェンヌの間で、いま最もおしゃれと言われている土地が、カップ フェレ(フェレ岬)という、大西洋に面した、アルカション湾の端の町。ボルドー市内から車に乗り、1時間半程度で到着します。ここの海沿いに別荘を持ちたいとなると、1億円は下らないとか!

左:アルカション湾の牡蠣の養殖風景。引き潮のときは特によく見える。
右:湾に面した陸地には砂丘もある。高さ150mのところもあるとか。

 訪れる目的はクルージング。「ピナス」と呼ばれる、昔牡蠣を運んでいた小型船に乗って、アルカション湾をクルーズできます。乗った船の定員は11名。事前に注文しておけば、アルカション産の牡蠣をはじめ、船の中でたっぷりと海の味を堪能できます。これが美味しいの、楽しいの! 

魚介盛り合わせを広げる船長。これで5人前程度。とても美味しいが、食べ切れない!

 牡蠣を食べたら、殻はポーンと海の中に捨てるのがお約束。蟹の殻も海老の殻も、食べたらポンポン海に放り投げて。これこそ、海にも優しい食べ方とのこと。食べ終えるごとにお皿の上は常に空っぽを保て、どれだけ食べたのか、自分もまわりもわからないのがいい(笑)。ワインを持ち込み、日差しを浴びれば、最高の気分になること間違いなし。ボルドー滞在の最終日、こんな締め方をするのはいかがですか。

Les Pinasses du Bassin (レ・ピナス・ドゥ・バッサン)
URL http://www.pinasses-du-bassin.com/

ボルドーの空港内にあるカヌレショップ。3種類の大きさがあり、一番小さいものは2日、大きいものでも6日しか持たないので注意。写真は日持ち3日の中サイズ。値段は安くないが、ラッピングも並ぶ姿も可愛いので、ボルドー土産にはもってこい。ラム酒がしっかりきいている。

 空港までは余裕を持って車で2時間はみたいところ。TGVの駅は空港より先になるため、もう少し時間がかかります。ボルドーの空港にはボルドー名物のカヌレを売るショップが入っています。最後のお土産はこれで! ただし、美味しいお菓子の宿命。それほど日持ちはしないのでご注意を。

浅妻千映子(あさづまちえこ)
聖心女子大卒。建設会社でOLのあと、フリーライターへ。雑誌等で食を中心とした記事を書いている。料理研究家としての活動も。著書に『パティシエ世界一』(光文社新書)、『江戸前「握り」』(光文社新書)、レシピ本『浅妻千映子キッチン』(ぴあ)などがある。レストランガイド『東京最高のレストラン』(ぴあ)の採点者の一人。マンガ『キングスウヰーツ』(全5巻・小学館)の原案担当。JSA認定ワインエキスパート。All About「お酒と楽しむレシピ」のガイド。ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」のクッキングクラス講師。

2014.10.04(土)
文・撮影=浅妻千映子