奥行きと力強さに満ち余韻の長いワイン

 シャトー ドゥ レイニャックは、アントル ドゥ メールの一番北、2つの河が分かれはじめたあたりにあるシャトーで、ミクロクリマという特殊な気候のある地域。多くのシャトーが雹の被害にあった2013年も、このシャトーは地形のおかげで雹がそれ、いつもの年と同じ葡萄の収量だったといいます。

2002年から作られているバルチュスは、毎年エチケット(ラベル)の色が違う。

 ここのワインで一度は飲んでみたいのが、年間6000~8000本だけ作られるという、バルチュス。2002年から作られているラインで、なんと、日本で売られている値段は軽く1万円超! AOCボルドー/ボルドー シュペリュールのワインは、現地で5ユーロ以下から10ユーロが多くを占めます。この値段は驚きに値します。様々な技術を駆使して作られるこのワイン、力強さと凝縮感はもちろんのこと、奥行きと複雑さがあって、余韻が長い。ゆっくりと時間をかけて飲みたいワインです。

 ちなみに「バルチュス」という名は、オーナーの息子さんの名前「バルタザール」と、オーナーが尊敬する偉大なワイン「ペトリュス」を掛け合わせてできた言葉だそう。

鳩を飼っていた塔は、中に入るとこんなに素敵な試飲ルームに。天井裏まで階段で上がることもできる。

 シャトーには、昔、鳩を飼っていたという塔があり、現在はテイスティング専用の場所として内部が改装されています。予約すればこちらでのテイスティングが可能です。数えきれないほどの国に輸出されているというシャトー ドゥ レイニャックのワイン、その中で日本への輸出は約5%だそう。大したことないんだなと思ったら大間違いで、5%とは大のお得意さんとなる数字なのだとか。世界中どこでもこのシャトーのワインを買えるようにしたいそうです。基本的に1カ国ひとつの取引先と決めているそうで、日本では、ヴィノスやまざきで購入可能です。

Château De Reignac (シャトー ドゥ レイニャック)
所在地 38 Chemin de Reignac 33450 Saint-Loubes
電話番号 +33-5-56-20-41-05
URL  http://www.reignac.com/

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2014.10.01(水)
文・撮影=浅妻千映子