広い店に入ると、奥に焙煎ルームが設えられています。ネティアンご自慢の1955年製のロースターは、コンピューターで正確にコントロールできるように改造したもの。コーヒー豆はレアな豆を15種仕入れ、必要に応じてロースト。オープンして半年にも満たないというのに焙煎するコーヒー豆の量は1ヶ月に300~400kgにもおよび、パラスホテルなどからも声がかかっています。
ライムのような爽やかな風味のエチオピア・イルガチョフ産モカや、トロピカルフルーツを思わせる、ブラジルのダテラ農園産ブルボン種、アーモンドのような香ばしい香りのエルサルバドルのラ・モンタニタ農園産パカマラ種など、まさにワインのようにコーヒーの味わいを、プロの説明とともにその場で味わうことができるのが、この店でのアヴァンテージ。ブレンドにこだわって、その時々で豆を替えるエスプレッソはもちろん、従業員は皆バリスタなので、カプチーノやマキアート、水だしコーヒーなど、本格的なさまざまなコーヒーが楽しめます。また、有機栽培の素材で作る軽食、もちろん味わい深いコーヒーでビスケットを浸したティラミスも絶品です。
Coutume Café(クチューム・カフェ)
47 Rue de Babylone 75007 Paris
電話番号 01.45.51.50.47
営業時間 8:00~20:00(月~金)、10:00~19:00(土)、10:00~18:00(日)
伊藤文(いとうあや)
パリ在住食ジャーナリスト・翻訳家。立教大学卒業。コルドンブルー・パリ校で製菓を学んだ後、フランスにて食文化を中心に据えた取材を重ねる。訳書に『ロブション自伝』『招客必携』(いずれも中央公論新社)、著書に『パリを自転車で走ろう』(グラフィック社)など多数。日本復興支援協会GANBALO代表。
text&photographs:Aya Ito