人に優しくいられるのは、すごく強いこと

――寄子は他者を理解しようとする姿勢が誠実です。松さんご自身が他者と向き合う際に、大切にしていることはありますか。

 私は自分がそんなにいい人間だと思っていないので、意地悪しちゃったりしていると思うんですけど(笑)。でも理想として、人に優しくありたいなと。なかなかそうなれないからまだまだ甘いなと思います。人に対して優しくいられるって、すごく強いことだと思うし、そうなれたらいいですよね。子どもにも「自分が損をしてでもいいから優しくあれ」と話すことがあります。最終的にそれが強みになると、自分にも言い聞かせています。

――最近、これは素敵だなと思った出来事や作品はありますか?

 最近、NHKのドキュメントのアーカイブを見ることがあって。未解決事件とか歴史とか、そういう番組を見るのが好きなんです。歴史については実際に見られるわけじゃないから、誰も本当のことはわからないじゃないですか。でも、相手の仮説や意見を一方的に否定するのではなく、向き合って議論する番組は見ていてとても気持ちがいい。それとノンフィクション的な生々しい事件簿みたいなものも好きで、見ていてストレスがないんですよね。

――ドキュメンタリーは松さんご自身の仕事との関わりがそれほどなく、役者としての目線を離れて楽しめるからでしょうか。

 どうでしょうね。(フィクションの物語やドラマは)どこかでやはり事実にはかなわないという思いが根底にあって、ノンフィクション系は見ていてとっても楽しいんです。歴史について「本当かな?」と言いながら想像するのも好きですね。

――もしドキュメンタリーのナレーションのオファーがきたら、受けてみたいですか。

 いや、私はいち視聴者として楽しむ側でいたいです(笑)。俳優さんがナレーションをされていたり、難しい事件を誠実に再現するドラマに出ていらしたりするのを見て、「みなさん素晴らしいな」と尊敬し感動しつつ、今までのいろいろなアーカイブを見ています。

――日常でリフレッシュする時間の過ごし方はありますか。

 整理整頓とか、ちまちまやるのが好きですね。あとは1人で気ままにぶらぶら買い物したり、デパート巡りしたり。友だちと一緒にぶらぶらするのもリフレッシュになりますね。

――ピラティスもされていますよね。

 ピラティスをやっているといっても、私は全然へなちょこなんです(笑)。でも体には長年の癖やいろいろな蓄積があるので、そこに向き合って自分の体を知ることはとても大事だなと思います。

――役者として、ひとりの女性として、これから挑戦したいことはありますか。

 あまりそういうのがなくて、とにかく次に携わる作品が面白くなるといいなと。それが時代劇だろうがなんであろうが、新しく生まれるものであってほしい。そうあるためにがんばる、ということしかあんまり思わないかもしれないですね。

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