【相談】PMSを言い訳にしたくない
【お悩み】
PMSに悩んでいます。といっても実はこれまであまり悩んだことがなく、「生理前になると無性にイライラする」などと聞いても、それって通常時に誰かにイラつくのと何が違うんだろう?と思っていました。でもここ最近、仕事とプライベートでそれぞれ感情を暴走させすぎて多少の問題を起こしたことがありました。時期的にどちらも生理3、4日前でした。あとから「もしかして」と気づくわけですが、仮にも「PMSで」なんて言おうもんなら、超言い訳がましい、責任逃れくさい、ましてや男社会で働いている私が想像するに、男性が聞いたら「これだから女は」となるのではないかと思います。もちろんそうやって私が考えてしまうだけかもしれませんが、仕事での一件にはひどく落ち込んでいます。(41歳・女性・名無し)
スー PMSを言い訳にしたくないという気持ちはすごくわかる。男性優位のビジネス理論が成り立っていた時代に入社した世代だから、言い出しにくかっただろうし、そのせいで相談者さん自身も相当苦労されたと思う。でもね、41歳のあなたが今やらなきゃいけないのは、30代や下の世代の子たちが生きやすい世の中を作っていくことなんです。無理解な価値観に自分をアジャストして、自分がPMSであることに罪悪感を持つのは、結果的に下の世代の働き方を苦しめることになるんだよ。自分を主人公にするのではなく、人のために意識をシフトしてほしいな。
堀井 ちょうど世代の切り替わりの道を作っていく役割かもね。「PMS」という言葉は、会社の上司や同僚にも知っておいてほしい言葉。当事者が何の罪悪感も持たずに言える方がいいと思うんです。私は更年期の時、上長に「今、更年期に少し入ってて調子悪いです!」って言ってました。風邪をひいて具合が悪いというのと同じ感覚で、「今こういう状態だ」と周りに伝えておけば、作業が滞っても周りは理解してイライラしないからね。感情を暴走させて問題を起こしたことがあるなら、なおさら共有しておいた方がいいと思います。
スー 私もラジオの現場は男性スタッフが多いけど、「今日生理痛がやばい」とか普通に話してる。それはひとえに下の子たちが働きやすい環境にするため。男女の不平等は現実にまだまだたくさんあるけど、「無理解おじさん」を一方的に作り上げて責めるのはもう終わりにしたい。「自分のために頑張る」のがもう無理なら、下の子たちが生きやすいようにと考えてほしいな。言い訳と捉えるのではなく、自分の取扱説明書としてちゃんと説明していこう! それが上の世代の役目としてもいいと思います!
ジェーン・スー
1973年東京都生まれ。TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」、Podcast番組「となりの雑談」のパーソナリティーとしても活躍。近著に『介護未満の父に起きたこと』(新潮新書)、『ねえ、ろうそく多すぎて誕生日ケーキ燃えてるんだけど』(光文社)など。
堀井美香(ほりい・みか)
1972年秋田県生まれ。2022年3月にTBSを退社しフリーランスに。様々な番組・CMでナレーションを担当する一方、自ら朗読会を主催するなど、多方面で活躍する。著書に『一旦、退社。50歳からの独立日記』(大和書房)など。
Podcast「ジェーン・スーと堀井美香の『OVER THE SUN』」
毎週金曜日の夕方5時に配信。TBSラジオが制作するPodcast番組。飾らないトークで女性たちの支持を集め、月間リスナー約80万人の人気番組に。2026年8月には「緑のオーバーザサン 安全第一 私たちの大運動会2026」を開催。成功裏に終えた。
続きは「CREA」2026年秋号でお読みいただけます。
文=綿貫大介 写真=平松市聖 コラージュ=Nao/petitoto スタイリング=宮崎真純(likkle more) ヘアメイク=yumi(ThreePEACE)
CREA 2026年秋号
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