ワインの試飲だけではないお楽しみもいろいろ

広大な敷地に建つ古城の一部がワインセラーとなっている「Torre in Pietra」。
造り手の話やアドバイスを聞きながら様々なワインをテイスティング。

 今年で22回目を迎えた「カンティーネ・アペルテ」だが、賛同するワインのつくり手は年々増え続け、今ではイタリア全土20州で同時開催されるまでに成長した。自社ワインの試飲だけでなく、周辺の農家や食材の生産者たちを募って露天市をオーガナイズしたり、野外コンサートを開催したり、焼きたてのサルシッチャ(イタリアンソーセージ)や地元産のおつまみ(主にチーズ、サラミ類)を振る舞ったりなど、イベントの内容は主催者の趣向によって様々。単なるワインの試飲だけでなく、ちょっとしたお祭り気分が味わえるとあって、小さな子供を連れた家族の姿も多く目にする。

 ワインセラーは朝から夕方(通常10:30~18:30)までオープンしているので、数軒のセラーをはしごする人も少なくない。先日行われた「カンティーネ・アペルテ」では、私自身もラツィオ州のつくり手を2軒ほど訪問(ラツィオ州は20軒の生産者が参加)。ワインとおつまみを散々堪能した後、気に入ったワインを2ケースほど買って帰宅した。あれこれとワインをテイスティングした上で、自分の好みのタイプを選ぶことができ、しかも、造り手から直接購入できるのは、ワイン好きにとって非常に嬉しい。

ワインの試飲だけでなく、地元の特産物も同時に堪能できるところが人気。
ブドウ畑やワイン蔵のガイド付き見学を企画しているセラーもある。

 ちなみに今年(2014年)の「カンティーネ・アペルテ」のスケジュールは、すでに終了した5/24、5/25(通常毎年5月の最終土日)のほか、イタリア各都市で催される夏期野外イベント開催時の8/5~8/10、ブドウの収穫時に合わせた9/22、ノヴェッロ・ワイン(イタリア版ボジョレーヌボー)解禁時の11/16、クリスマス前の12/6、12/7となっている。

「ワインツーリズム ~カンティーネ・アペルテ」(英語)
URL http://www.movimentoturismovino.it/en/home/

村本幸枝 (むらもとゆきえ)
イタリアでは撮影コーディネートを、日本では東京・中央区で日伊文化交流サロン「アッティコ」を主宰。在伊歴20年ちょっと。現在、年の半分ずつをイタリアと日本で過ごしている

日伊文化交流サロン「アッティコ」:http://www.attico.net/

Column

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世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
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文・撮影=村本幸枝