ウケ狙いの贈りものは意外と印象に残らない

――贈りものを選ぶ際のマイルールはありますか?

相田 僕は会話に出た話題を覚えていて、関連するものを贈ることがよくあります。スタイリストさんが「『ゼルダの伝説』にハマってるんだけど、コントローラーが一つしかないから旦那さんが使ってるとできない」と言っていたんで、誕生日に『ゼルダ』仕様のSwitchをプレゼントしました。

 ただ、通常版が入荷待ちで、いろいろ付属品が入っているセット版しかすぐには買えなかったんですよ。4万円を超えていたんですけど、しょうがないからそれにしました。明らかに高額だから、スタイリストさんを変に驚かせちゃったけど(笑)。

小宮 僕はその人が絶対に使ってそうにないものとか、似合いそうだけど自分では買わなそうなものをあげますね。モグライダーのともしげやウエストランドの井口(浩之)たちとお互いの誕生日会をしていて、プレゼント交換もするんですけど、芸人同士だと大喜利っぽくなるんですよ。それでこの何年かは高級なものをあげて笑わせるほうにいっていて、5~6年前に井口にイニシャル入りのルイ・ヴィトンの財布を贈りました。7万円くらいだったかな。

相田 それはだいぶ高価だよね。

小宮 井口にルイ・ヴィトンのイメージはないから、逆にいいかなって。実際に長く使えるじゃないですか。ボケでもらったものって、その場は盛り上がっても結局忘れちゃうんですよ。だから僕も最近は「僕の誕生日会、今年もあるでしょ。プレゼントはアンダーカバーのTシャツかコンバースの靴がいいな」って言ってます。(笑)

相田 いや、いいけど!(笑)何贈ったら喜んでもらえるかな?って考えてくれる時間が一番嬉しいんだけどね。

小宮 そうだね。

2024.02.23(金)
文=斎藤 岬
写真=松本輝一

CREA 2024年冬号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

贈りものバイブル

CREA 2024年冬号

贈りものバイブル

定価980円

気兼ねなく人と会い、久々に好きな場所を旅する――。2023年は心躍る、まさに再会の年となりました。ここ数年の時代と価値観の大きな変化を経て、ギフト選びもアップデートが必要に。そんないま、贈りもの賢者たちは何を選ぶのかを伺いました。挨拶代わりの手みやげから、大切な人へ思いを伝える名品まで、650点以上のギフトの中から、あなたのお気に入りが見つかりますように。