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幼稚園のお弁当は「かわいい」を意識

――娘のむーちゃんのために幼稚園のお弁当を作っている様子も印象的でした。幼稚園のお弁当作りって毎日大変そうですけど、楽しかったですか?

たかぎ 最初はどう作ればいいのか悩みました。それまでと違って、娘に作るお弁当はかわいらしく作ることを意識しました。大変ではありましたけど、新鮮な驚きもありましたね。

 例えば、お弁当のささやかな細工に娘がよく気が付いてくれたこと。「今日のウインナーの切り方、かわいかった」「新しいピックだったね」とか。夫からはそんな感想はこないので、新鮮だしおもしろかったです。

――むーちゃんもお弁当を楽しみにしていたんですね。将来、むーちゃんが、「母の味」として思い出してくれそうなお弁当のおかずはありますか?

たかぎ う~ん、成長した娘に聞いてみないとわからないですけど、ケチャップごはんが母の味になるのかなぁ……。漫画の『白いごはん対策「ケチャップ&若菜ごはん弁当」』の章でも描いたんですけど、「白いご飯は味がない」と残す娘のために、よく作ったんです。

 でも、こちらが予想もしない料理を気に入ってるケースもあるから、わからないですね。「こんにゃくを煮たのがおいしかった」と言うこともあるので(笑)。

――気に入ってくれるとうれしいですね。「お弁当を食べるむーちゃんを見たい!」と息巻くシーンもありましたが、幼稚園の親子遠足などでチャンスは訪れましたか?

たかぎ 実は娘が幼稚園に通っていた時期はコロナ禍で、親子遠足も授業参観も中止だったんです。だから娘がお弁当を食べる様子は覗けませんでした。運動会も、半日だけの開催だったのでお弁当の必要がなくて。同じクラスのママさんにお弁当の写真を見せてもらったことはあるんですけど、そのくらいでしたね。

誰かのためのお弁当作りは、量の調節が難しい

――漫画ではお弁当に対するこだわりが色々見られましたが、たかぎさん自身はいつからお弁当を作っているんですか?

たかぎ 結構昔から作っていましたよ。お弁当持参の中学校へ通っていたので、中1の頃からひとつ上の姉と一緒に作ってました。でも、まだそんなに料理をしたことがなかったから、凝ったものはなかったですけどね。朝は時間がないし。冷凍食品をよく使っていました。

 その後は名古屋で就職したり、イラストレーターの夢を追って上京してバイトを始めたり、いろいろな変化があったんですけど、どの時代も、気が向いたら自分のためのお気楽弁当をときどき持参していました。

 結婚後は、夫が転職したのを機に彼のお弁当を作るようになりましたね。誰かのためにお弁当を作り始めたのは、ここ5年くらいの話です。

――夫や娘にお弁当を作るようになって、変化したことはありますか?

たかぎ 相手が食べる適切な量を想像するのって、難しいんですよね。途中でおなかがすいてほしくないから、ついたくさん詰めたくなっちゃうのですけど、夫からは「最近太ってきた」、娘からは「時間内に食べ切れなかった」と言われるし。「もっと減らさなきゃ~」と思うこともあります。

 年齢的にも、夫のお弁当は量をだんだんと減らして、娘へのお弁当はだんだんと増やしていきたいところです。

2023.11.03(金)
文=ゆきどっぐ