子どもの受験で、母のPMSが悪化することも!?

CREA読者のお悩み ケース8

会社で部署を異動したら、PMSがひどくなった気がします。仕事量は減って少し楽になったと思うのですが……。(会社員 30歳)

――身の回りの環境の変化やストレスも、やはりPMSに影響するのでしょうね。

小川先生「それは大いにあります。ストレスはPMSの症状や重さに強く影響して、仕事の忙しい時期や、配置換えの直後などに症状が悪化して来院される方は多いです」

――お悩みのケースでは、仕事量は減ったということで、ストレスの自覚はなさそうですが。

小川先生「それでも、環境の変化が体に与える影響は小さくありません。人間関係が変わったり、新しく覚えることがあったり、知らず知らずのうちに心身が緊張していることも多いでしょう。頑張り屋さんだと特に、ストレスを自覚することなく働いてしまうというのもありがちなことです」

――仕事のストレス、家庭のストレス、みんないろいろな事情がありますよね……。

小川先生「家庭のことだと、親御さんの介護が始まった方もいれば、介護と小さな子どもの育児が重なって……という方もいます。あと、お子さんが受験生で、そのストレスでお母さん自身のPMSが悪化してしまった、という例も実際にありました」

――自身の仕事に加えて子どもの卒業や進学などが重なりがちな春も要注意なわけですね。転勤や引っ越しまであったりしたら、もう大変。

小川先生「春は季節の変わり目ですし、寒暖差や気圧の変化が大きなタイミングですからね。ただ普通に生活しているだけでもしんどい日があるのに、環境の変化まで加わったら一大事です。そういった時期はできるだけ自分を甘やかしてあげられるといいのですが……」

――新生活と家族のことで手一杯で、自分のケアには構っていられない状況、という人が多そうですね……。

小川先生「そうなんです。何度も繰り返しになりますが、PMSや生理がしんどいなと感じたら、ぜひ婦人科の医師にご相談いただきたいです。自分のことをずっと後回しにしてきた女性の多くが、『もっと早く、相談に来ればよかった』とおっしゃることが、すべてを言い表していると思います」

──環境を変えるのには時間がかかるけれど、自分の体のケアは、自分の意志で今すぐにでも始められますからね。

小川先生「まさに、そこなんです。PMSや生理のつらさを感じているのなら、それを当たり前と思わず、仕方がないと諦めて受け入れるのではなく、改善できる可能性は大いにある、ということを絶対に忘れないでいてほしいです。PMSや生理は多くの女性にとって毎月のことだからこそ、その時期を少しでも快適に過ごすことが、人生の質を高めることにもつながります。せっかく今は、“生理を自分でコントロールできる時代”なのだから、自分から積極的に情報を取りに行って、一人でも多くの女性が、一日でも早く、快適な毎日を過ごせるようになることを切に願っています」

●お話を聞いたのは……
東京歯科大学市川総合病院産婦人科准教授
小川真里子先生

福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学産婦人科を経て、2007年に東京歯科大学市川総合病院産婦人科助教、11年同講師、16年より現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本心身医学会心身医療専門医、日本女性心身医学会認定医などの資格を持ち、PMSや更年期などの診療にあたる。

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女性の健康推進プロジェクト

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Column

私たちの体を守りケアする
フェム・ヘルス研究室

女性の心身の仕組みを理解して、快適に暮らすめための連載。「フェムテック」アイテムの紹介をはじめ、PMS、月経、更年期などの女性のしんどさを和らげて、生活の質を上げる方法を考えます。

2022.11.15(火)
文=今富夕起
イラスト=竹井晴日