日々のあらゆることを正しく意識して行うのが禅の修行
◆栖賢寺(せいけんじ)
京都に暮らしても、その名を耳にしたことのある人は少ないかもしれない。
洛北・上高野に居を構える臨済宗大徳寺派の「栖賢寺」は一般に公開されておらず、住職の宗貫さんが妻のクリスティーナさんと守る修行の場だ。
坐禅も体験を募るのではなく、宗貫さんの日々の修行に加わる形で参加する。毎朝6時から行われる坐禅は、観音堂と呼ばれる禅堂にて40分間。
冬なら暗いうちから始まった坐禅も終われば朝日が射し込み、樹々の輝く様子にも心がほぐされる。
坐禅が終われば日天掃除と呼ばれる作務、そして茶礼と続く禅寺の日常。
日々のあらゆることを正しく意識して行うのが禅の修行。
自然を愛でつつ行う作務も、宗貫さんが淹れる茶をいただく茶礼もまた修行なのだ。
「禅修行で行き着く先は、本当の安心。自分の状況や状態に左右されず、何をしてもどこにいても安心していること」と宗貫さん。
坐禅、作務、茶礼。ほんの数時間のできごとにもかかわらず、終えた後にはふっと心が軽くなっているはずだ。
栖賢寺(せいけんじ)
所在地 京都市左京区上高野水車町20
電話番号 非公開
https://www.seikenji.org/
※通常は非公開。 朝坐禅などへの参加はホームページで
文=大和まこ
撮影=橋本 篤