任天堂旧本社社屋と安藤忠雄氏設計監修の新建築が融合したホテル

 京都の鍵屋町の正面通りに、1889年より歴史を刻んできたレトロな建物がある。

 任天堂旧本社社屋として知られ、長い歴史の中、かるた・花札の製造販売や、任天堂創業家・山内家の住居として利用されたこともあるという由緒ある場所だ。

 そんな任天堂旧本社社屋が、全18室のホテル「丸福樓(まるふくろう)」として生まれ変わり、2022年4月1日(金)にグランドオープンを迎えた。

 「丸福樓」は、1930年竣工の南北に連なる三棟のRC造の任天堂旧本社社屋(「既存棟」)と、その一部を解体修復。さらに新しく建物を増築した「新築棟」から成り立っている。

 新築棟と既存棟の設計監修を務めたのは、歴史ある建物を再生し、新旧が絶妙なバランスで共存する建築を数多く手掛ける、世界的建築家の安藤忠雄氏だ。

 旧本社社屋の建設当時の風格を保ちつつ、現代的エッセンスをまとった「丸福樓」は、外観のみならず、内装もできる限り当時の面影を感じられるように復元されている。

 客室は、ルーフトップテラス併設の丸福樓スイート(既存&新築棟)、露天風呂と和室併設のジャパニーズスイート(既存棟)など、7つのスイートを含む全18室。

 既存棟(旧本社社屋)は当時の建築様式や内装を活かし、新築棟はシンプルでスタイリッシュな居住性の高い空間となっている。

 全く新しいスタイルの“洋風料理”を提供する「レストラン carta.(カルタ)」は、料理家の細川亜衣氏が空間デザインと料理メニューを監修。日本古来の発酵食品や調味料、薬味などを隠し味に使った、オリジナリティあるメニューの数々を味わうことができる。

 そして“客室の延長である第二のリビング”感覚で寛げるラウンジが2カ所あり、そのラウンジでは常時ドリンクや軽食、夜の時間帯は夜食を好きなだけいただける。

 さらに「ライブラリー dNa(でぃーえぬえい)」は、任天堂の歴史とその原点に触れられる場所として、宿泊ゲストや各種イベントの招待客のみに開放されるエクスクルーシブな空間。ライブラリーとしてはもちろん、ラウンジとして利用することも可能。

 なお同ホテルは、レストランでの夕食・朝食、ラウンジでの軽食やドリンク、客室ミニバー利用をすべて宿泊料金に含んだ、オールインクルーシブプランを採用している。

 また客室は、全室内装や調度品が異なるのも特長のひとつ。泊まるたびに新しい発見をもたらしてくれるので、何度でもリピートしたくなる1軒といえそうだ。

丸福樓(まるふくろう)

所在地 京都市下京区正面通加茂川西入鍵屋町342番地
電話番号 075-353-3355(代)
https://marufukuro.com/

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文=立花奈緒(ブレーンシップ)