自然由来の素材をアートとして粋に楽しむ
◆湯の山 素粋居(ゆのやま そすいきょ)
養老2年、西暦718年に薬師如来のお告げにより、浄薫和尚が発見したと伝えられる湯の山温泉。緑深い鈴鹿山脈の麓にあるこの地に、「湯の山 素粋居」がある。
建築デザイン監修および、アートキュレーションを手がけたのは、世界各国から注目を浴びている陶芸家・造形作家の内田鋼一だ。
およそ1万3,000平米の敷地には、土、石、漆喰、木、漆、和紙、ガラス、鉄の8つのマテリアルをテーマにしたヴィラ12棟が点在。
ヴィラは内観、外観ともにその素材がもつ力を引き出すような設計になっており、ひとつとして同じ間取り、同じ設いの部屋はない。
共通しているのはすべてに露天風呂があることだけ。一棟、一棟がアートピースのように存在することで、「湯の山 素粋居」というエリアを美術館のような空間につくりあげている。
例えば、塗師・赤木明登による重厚な漆塗りの風呂や、ガラスアーティストのイイノナホによるシャンデリアなど、宿泊客のみ触れることを許される、ここだけの特別なあつらえばかりなのも他にはない魅力。
一度の滞在ではすべてのアートピースを鑑賞することは難しいので、時期を変えて再訪し、泊まる部屋を替えていくのもおすすめだ。
敷地内にある3軒のレストランも、料理人たちとの対話を重ねた内田により、料理の魅力が際立つ設計になっている。
自然、温泉、建築、アート、料理。「湯の山 素粋居」を構成するすべての要素が、滞在をより豊かなものにしてくれるだろう。
湯の山 素粋居(ゆのやま そすいきょ)
所在地 三重郡菰野町菰野4842-1
電話番号 059-325-6682(宿泊予約専用ダイヤル)
客室数 12棟
料金(1名) 70,000円(1棟2名利用、2食付き※「HINOMORI」の場合)
※人数、食事によって料金は変更あり
https://sosuikyo.com/
文=CREA編集部
写真=平松市聖、佐藤 亘