軽やかにモダンに“ジュエリー”へ昇華する漆芸

◆吉村聖子

 純金粉を使った金蒔絵や、虹色の貝殻を埋め込んだ螺鈿、根来塗などの変わり塗、そして卵殻塗と、伝統的な漆芸で装飾品を作る吉村聖子さん。

 指輪をはじめとする作品はどれも、伝統的な技法を用いながらも大胆なデザイン。モダンさを感じさせ、心に強い印象を残してくれる。

 「元々ワックスで金のアクセサリーを作るなど、物作りに興味はあって。あるとき、ふと目にした漆の指輪に魅了されてしまいました」と吉村さん。

 早速手に入れ、自らも漆教室に通ってアクセサリーに挑戦したという。「当初は趣味でと思ったけれど5年経っても、やっぱりやりたい。

 それなら基礎からきちんと学ぼう」と、京都市伝統産業技術後継者育成研修にて2年間の漆工コースを修了する。

 伝統的な技術を身につけるも、「螺鈿や蒔絵のキラキラした感じが好き」という吉村さんが作る“ジュエリー”は、洋服にもすっと馴染むものばかり。伝統の技と軽やかな感性が融合した新たな作品だ。

吉村聖子

https://www.seikoyoshimura.com/
※ショップ「ソフォラ(https://www.sophora.jp/)」で扱うほか、ホームページのオンラインショップでも販売。

Text=Maki Takahashi、Mako Yamato
Photographs=Atsushi Hashimoto