能登半島の内湾に面した七尾の町を散策。伝統的なろうそく店や自然と共生する美術館など感性を磨く旅へ。
七尾は、江戸から明治にかけての北前船時代に寄港地として栄えた。約600年の歴史ある商店街の一本杉通りには、その面影が今も残っている。おすすめの6スポットをご紹介。
天然素材が生む温かな炎で心を鎮めるひとときを
◆高澤ろうそく(たかざわろうそく)
一本杉通りに1892年に創業したこちらは、ハゼの実ロウ、ヤシロウなどの植物素材を用い、昔ながらの製法で和ろうそくを手がけている。
特徴のひとつが芯の部分で、筒状にした和紙に灯芯(イグサの表皮をとったスポンジ状のもの)を手巻きし、さらに真綿を巻いていく。
その手間を惜しまない工程で作られる和ろうそくは、炎が大きく、煤が出にくいため漆の仏壇でもほとんど汚れが付かないと、地元では日常使いで親しまれている。
近年では、菜種や米ぬかの油など、固まりにくい素材にも挑戦。「菜の花ろうそく」などは、やさしい黄色の色合いが愛らしい雰囲気。
「短いサイズのろうそくだと燃焼時間が約20分です。炎を見つめて頭を空っぽにするのにちょうどいい長さなので、リラックスタイムに利用して欲しいです」と代表の高澤久さん。
天然素材が生む温かな炎で心を鎮めるひとときを。
高澤ろうそく(たかざわろうそく)
所在地 石川県七尾市一本杉町11
電話番号 0767-53-0406
営業時間 9:00~19:00
定休日 第3火曜
https://takazawacandle.jp/
Feature
静寂に輝く美に出合う
海沿いの町、七尾へ
Photographs=Atsushi Hashimoto