江戸時代の旅気分も味わえる三条通で「京町らんまん老舗さんぽ」を満喫

 「OMO5京都三条」が力を入れる、もうひとつのご近所アクティビティが「京町らんまん老舗さんぽ」。旅を豊かにするアイテムを探しに、三条大橋から三条通りを歩きます。

 古くから商工の中心地として栄えたこの界隈には、いまもニッチな専門店が点在。昔ながらの職人の仕事を今に伝えています。

 例えば、棕櫚(しゅろ)で作られた美しい箒(ほうき)や束子(たわし)、和裁に使う多種多様な縫い針、手書きの京扇子、愛らしい匂い袋など、旅行者の心をくすぐるものがたくさん。

 敷居が高く見える老舗も、お店の方と顔なじみのOMOレンジャーが一緒だから安心です。

 「本家船はしや」のお隣にある「内藤商店」は、1818年の創業。看板もないのになぜか惹きつけられる店頭には、棕櫚(しゅろ)で作られた、さまざまな形の箒や束子、刷毛などが並んでいます。

 「天然の素材で、職人さんがひとつひとつ手作りしているから、見た目も素敵でしょう。箒で掃くときは、あまり力を入れず先の方だけをサッサッと動かすの。使うほどにやわらかくなって、コシが出てきますよ」と教えてくれたのは、7代目おかみの内藤幸子さん。ここにしかない、一生モノの道具に出会えるお店です。

 三条通りをさらに西へ進み、「OMO5京都三条」に近い「三条名店街」へ。「吉田源之丞老舗」は、現当主で15代を数える仏具専門店。名だたる寺院の仏具から、一般家庭向けものまで幅広く取り扱っています。

 その先にある「三條本家みすや針」は、現当主で18代目となる縫い針専門店。店舗はビルの通路を抜けた先、静かな中庭にあります。

 もめん針、つむぎ針、きぬ針……といったニッチな品揃えに、和裁の繊細な世界を垣間見る思い。

 扇子の専門店「大西京扇堂」は、9代続く扇の老舗。オリジナル製造の京扇子は上品で優雅なデザインが評判です。

 アーケードを抜け、さらに三条通りを進むと「石黒香舗」。現当主で5代目となる、全国唯一の「にほひ袋」専門店です。

 花や干支、動物などをモチーフにしたさまざまな「にほひ袋」がありますが、その場で好きな袋地と紐、香りを選んで作る、オーダーメイドの「にほひ袋」も人気です(418円~)。

 その数軒先にある「むす美」は、京都のふろしきメーカー「山田繊維」が運営するオフィシャルショップ。

 1,300年の歴史があるといわれる「ふろしき」に秘められた日本の良さを、現代のライススタイルに活かしたデザインやスタイルとして提案しています。

2021.07.05(月)
文=伊藤由起
撮影=鈴木七絵