「会長はブクロより一緒にいる、相方よりもザ・森東なヤツ」

――これまで一緒に過ごす中で、印象に残っていることはありますか。

 一度、会長とその兄弟を会わせようということになったんです。譲ってくれたメイクさんが両親と4兄弟の1匹を引き取っているので、別の人のところで暮らすほかの2匹も一緒にこの事務所で会わせたんですけど、完全に全員がそれぞれを敵とみなしていたというか。お父さんとお母さんはソファの下からまったく出てこないし、4匹はキャットウォークの段のところに1段ずつそれぞれいて、みんながじーっとしていて。

 1匹が動こうものならみんながシャーシャー言い出して、警戒してました。こいつもシャーシャー言ってて……。あの声はそれまで聞いたことがなかったですし、あれ以来も聞いたことがないです。

――自分の縄張りに入ってきた、と思ったのかもしれないですね。

 お前ら、血ぃ繋がってんねんぞ? と思いましたけど、兄弟や家族という感覚はなさそうでした。人間でも、家族経営で揉めてる人たちっているじゃないですか。あれって、こういう感じなんかなとか思いながら見てましたね(笑)。

うちの子ベストショット③

「撮ってくれと言わんばかりのポーズ。可愛いすぎ」(森田さん)

――まったく手がかからないとのことですけど、大変だなと思うことはありますか?

 どうやろう? 1回、ずっと口を開けてることがあって、めっちゃブサイクやなぁと思いながら動画を撮ってインスタにあげたんですよ。そうしたら、猫に詳しい方から「それ、危ないですよ」ってコメントをもらって。猫って口をずっと開けてることがないらしいって知って、病院へ連れていきました。

 結局、ちょっとした脱水症状で大事には至らなかったんですけど、インスタで教えてもらってよかったなって。俺も、もうちょっと(猫に関する)知識をつけたほうがええんかなって思いました。

 まぁ、こいつが口を開けるのは、ニャーって鳴く前の前兆やっていうこともわかったんですけど、いつも連れていく病院の先生がちょっと変で。こういう感じなんですって説明したら、「どうしたんでしょう、悪夢でも見たんですかねぇ」って冗談なんか本気なんかわからんテンションで言われて。「ですねぇ~」って答えるしかなかったですけどね(笑)。

――ソファの一部は爪とぎ用になっているみたいですね。

 ボロボロでしょ? 爪とぎ用の段ボールを買ったんですけど、それで爪をとがなかったんですよ。で、ソファの足の布部分でやるようになって。新しく買ったソファはガリガリされないように、脚が木のものにしました。けど、それは俺たちがミスっただけ。トイレの場所を覚えさせるように、もっと根気よく言い聞かせてしつければよかったんです。

 最初、会長はテレビボードの上に乗るのが癖やったんですよ。で、テレビをガリガリしようとしてたから、めっちゃしつこく怒ったというか。乗った瞬間にダメやと言い聞かせていたら乗らなくなったんです。やったらあかんことは、ちゃんとしつけられるんですよね。テーブルの上に乗ったらあかんっていうことを教えなかったんで未だに乗ってしまうんですけど、やってほしくないことは諦めずに言い聞かせたほうがいいと思いますね。

――では、森田さんにとって会長はどんな存在ですか?

 ザ・森東ですね。ブクロより一緒にいる、相方よりもザ・森東なヤツ……じゃないですかね。

2021.06.17(木)
文=高本亜紀
撮影=佐藤 亘
写真=森田哲矢