ファッションデザイン・バトル・ロワイアル。優秀商品は実際に買うことも

◆『メイキング・ザ・カット ~世界的デザイナーを目指して~』(Amazon Prime Video)

 この『メイキング・ザ・カット ~世界的デザイナーを目指して~』(Amazon Prime Videoで独占配信中)は、世界でも有数の腕を持ったプロのファッションデザイナーたちがしのぎを削る様子が描かれています。

 こちらは、現在19シーズンの製作も決定したアメリカの超人気番組『プロジェクト・ランウェイ』に連なる新番組として作られたファッションバトル番組。

 腕はあるが無名のファッションデザイナーたちがバトルを繰り広げる『プロジェクト・ランウェイ』とは違い、本作はすでに世界的に知名度を得たファッションデザイナー同士がぶつかるのが特徴です。今年の夏にはシーズン2の配信が決定しています。

 12人のデザイナーを集め、世界各地を行き来しながら「実用スタイル」と「ランウェイ・スタイル」という異なる種類の作品を制作し、その出来を競い合っていきます。そして、戦いを勝ち抜いた優勝者にはなんと優勝賞金として100万ドル、日本円にして約1億1000万円が与えられるうえ、優勝したデザインの服を実際にAmazonで販売する権利が与えられました。現在は完売している商品もあり、シーズン2では販売の予定はないそうです。

 司会を務めるハイディ・クルムとティム・ガンは『プロジェクト・ランウェイ』からの名コンビ。ヴィクトリア・シークレットのモデルとして活躍していた過去を持つドイツ出身のスーパーモデル・ハイディは、アラフィフとなった今でも変わらぬ美しさですし、アメリカ・ファッション・コンサル界の大重鎮であるティムは、深すぎるファッション知識を披露してくれます。

 本作の魅力はニューヨークやパリ、そして東京といった世界のファッションの中心地を巡りながら、Amazonの持つ潤沢な予算を使って作られる超一級の作品の数々。たとえファッションの知識がなかったとしても、豪華絢爛に作り込まれたドレスをモデルたちが着こなすハイクオリティーな映像には、思わずため息が漏れるはずです。

 選ばれるデザイナーたちはドイツにイタリア、中国と国籍も多様。さらにはその年齢も20代から60代までと幅広い。作品を着こなすモデルたちも細めから太め、さらにはトランスジェンダーのモデルもおり、多様性に満ちた番組であることが印象的です。

『メイキング・ザ・カット ~世界的デザイナーを目指して~』

ハイディ・クルムとティム・ガンの名コンビが再びタッグを組み、有名デザイナー12人の世界を股にかけたファッション・バトルを開催。優勝賞金100万ドルと、自分のブランド商品をAmazonで販売する権利を勝ち取るのは一体誰なのか?

2021.04.29(木)
文=TND幽介(A4studio)