◆沖縄本島から15分ののんびりアイランド 津堅島
懐かしさを感じる民家で「おうち気分」を満喫する
沖縄本島中部のうるま市に属する津堅島(つけんじま)は、周囲約7㎞の小さな島。島の約3分の1がにんじん畑というほどその生産が盛んで「キャロットアイランド」の愛称で親しまれています。
高速船に乗れば本島からわずか15分とあって、透明度の高い海を求めて夏の間は海水浴を楽しむ観光客で賑わうものの、大きな商業施設などはないため、ふだんの島はとてものんびりとした、穏やかな空気と時間が流れています。
「本当に何もないところでしょう? でもそこが面白いんですよ」
そう話すのは、一棟貸しの宿「民宿おうち」を営む若きオーナーの神村賢次郎さん。津堅島は神村さんの祖父母の出身地で、親戚が所有していた一軒家をセルフリノベーションして7年ほど前に民宿を始めたそうです。
開放的な畳の間からは、のどかなにんじん畑と太平洋が見渡せて、それがなんとも心地いい……。
そして、テレビやラジオをあえて置かないという部屋に聞こえてくるのは、鳥や虫の声、そして人々の暮らしの息づかい。
そんな島の音をBGMに庭のウッドデッキでハンモックにゆらゆらと揺られているだけで、あっという間に時間が過ぎていきました。
島民のように、そして自分の「おうち」のように、リラックスした島時間を、津堅島では楽しむことができるのです。
民宿おうち-Ouchi-
静かな集落のなかに立つ、1日1組限定の一棟貸しの宿。オーナーの神村さん自身が旅好きで、人が集まれる場所を作りたいと、祖父母の故郷にある思い出深い民家をリノベーションして民宿に。宿のごはんも神村さんが作っていて、その日に釣った魚が夕食に並ぶこともあるそう。宿泊者の名前を表札に掲げてくれる心遣い、まるで本当の「おうち」のように過ごせる。
所在地 沖縄県うるま市勝連津堅1524
電話番号 080-6482-4340
客室数 1
料金(1名) 6,000円~(10名まで宿泊可能、夕・朝食付き)
津堅島へのアクセス
うるま市・平敷屋港(那覇市内から車で約1時間)から高速船で約15分、フェリーで約30分。島での移動手段はレンタサイクルなど。
文=呉屋沙織
撮影=白木裕紀子(渡名喜島)、平良信実(津堅島)