花と花器のコーディネートのヒント

 慣れてきたら、花に合わせた器選びを色々と楽しんでみましょう。

 上手な器選びのヒントは、花のフォルムに隠されています。カーネーションやガーベラなど花が丸いものには曲線的な形の花器がよくマッチします。

 バラであれば、コロコロとしたイメージのカップ咲きのバラには曲線的な形の花器が、花弁が尖ったいわゆる剣弁咲きのバラには直線的な形の花器がよく合います。

 ユリやカラーなどシャープな形の花には、直線的な形の花器をコーディネートしてみましょう。同じ花でも咲き方によってフォルムが異なるので、咲き方に合わせて花器を変えるのも粋です。

 また、デザイン性の高い器やビビットカラーなど個性が際立つ器であれば、花はあえて入れずに葉物などのグリーンだけを生けるのもスタイリッシュです。

 家中の器を総動員して、花とのベストなコーディネートを見つけてみましょう。

花の大敵を退治する方法

 花の大敵は水の中のバクテリアです。バクテリアが繁殖すると花の切り口の導管に詰まり、水を吸い上げられなくなってしまいます。このバクテリアには漂白剤を入れるのが効果的です。

 漂白剤の量は、コップ一杯に対して1~2滴で十分です。泡で出てくるタイプのキッチン用漂白剤だとワンプッシュで適量なので簡単です。

 水の色もクリアに保たれるため、見た目にも美しい状態をキープできます。ホテルやデパートに飾られている花の水が濁っていないのにはわけがあるのです。

 市販の切花栄養剤などにも、漂白剤のような水を殺菌する成分が含まれ、花の栄養となる成分も配合されているので、大切なお花に使用してみるのもよいでしょう。

 いかがでしょうか? 自宅でお花を楽しむことは決して難しくなく、すでにあなたが持っているもので、できることばかりです。

 また、花に関する技術も日々進歩しています。丈夫で長持ちする新しい品種が次々と開発され、出荷前に花農家が花もちをよくするプロセスを経るようになり、仲卸業者や生花店での保存状態も改良されています。

 人類の健康寿命がそうであるように、花の健康寿命も年々伸びているのです。

 きっと自宅に迎え入れたお花はあなたの想像以上に手間がかからず、想像以上に長く美しい姿をとどめてくれるはずです。

 「ミニ花束+1輪」から始まる、花のある暮らしをスタートしてみませんか?

佐藤俊輔(さとう しゅんすけ)

フラワーデザイナー。大手百貨店退社後、花の世界へ。2014年モナコ国際親善作品展国内選考会で特別賞を受賞。'17年「女性自身」(光文社)、'19年日本最大級の花材通販「はなどんやアソシエ」にて季節のアレンジメントを連載。テレビ、ラジオ出演のほか伊勢丹メンズ館のディスプレイ装飾など幅広く活躍中。