エンタテイナーとしての快感を覚えた女装体験

――劇場版「ライダー」で映画デビューされてはいますが、本格的な映画デビュー作というと昨年の『高校デビュー』ですね。この作品で菅田さんが演じられた史也は、これまでの作品とはどこか違いますよね?

 それまでは感情を表現する演技が多かったと思うんですが、『高校デビュー』では、どこか軽いキャラということもあり、ふざけているような芝居が多くて、日常に近かったですね。そういった演技ができることが楽しくて楽しくて、自由に羽ばたけた気がします。

――そして、過酷なロケも印象的だったドラマ「ランナウェイ~愛する君のために」。共演の市原隼人さん、塚本高史さん、上田竜也さんとの関係性はいかがでしたか?

 市原隼人くん、塚本高史さん、上田竜也くんとは、なんとも言えない3カ月を送らせてもらった気がします。4人でフェリーに乗っているシーンを撮ってるときに、ボロボロ泣きながら個人的な相談にのってもらったのも、いい思い出ですね(笑)。それをちゃんと受け止めてくれるステキな先輩たちでした。自分がメインとなった回で、またも泣き叫ぶシーンがあったんですが、僕が知らないあいだに、みんなが僕が泣けるような空気づくりをしてくれたことにも感謝です。でも実は……そのシリアスな芝居をする前日に、事務所主催のイベント(「TOPCOAT COLLECTION『THE SHOW』~歌って踊って心はひとつ~」)で、女装してアイドルソングで踊っていたんですよ(笑)。AKB48から始まり、「うる星やつら」「プリキュア」「キューティーハニー」と、本気で歌って踊りましたから。エンタテイナーとして、人を笑わすことの快感を覚えたこともあり、いま考えれば、あの瞬間も、僕には転機だったかもしれませんね(笑)。

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2012.09.21(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Shigeki Yamamoto