6階建ての建物をまるまる貸し切る大イベントに!

 開催地は5区にある“メゾン・ドゥ・ラ・ムチュアリテ”の6階建ての建物、まるまる貸し切りの大イベントに。地下1階は巨大なコンサートホールのようになっていて、そこが、料理人たちが料理を発表するステージになりました。

 シンガポール“ティプリング・クラブ”のリアン・クリフト、スペイン・デニア“キク・ダコスタ”のキク・ダコスタ、デンマーク・コペンハーゲン“AOC”のロニー・アンボルグ、フランスは3ツ星シェフのミッシェル・トロワグロ、アンヌ=ソフィ・ピックや、パリ“トゥミュー”のジャン=フランソワ・ピエージュなど、今の料理界に名を轟かせる世界中の錚々たるシェフたちが集まって、それぞれのクリエーションを紹介するのはエキサイティングでした。

 前回紹介した“ラ・グルヌイエール”のアレクサンドル・ゴーティエは、Omnivoreが刊行したばかりのガイド“100% Jeune Cuisine CARNET 2012(100%新世代料理、2012カルネ)”で、今年の最優秀シェフに見事選ばれました!! その発表後、ステージで、レストランで供する6種の皿を次々に創出してくれました。

 地元北部で採れるジャガイモを麻入りパンで包んだものや、マーシュサラダのピュレと小タマネギ、スティルトンチーズの一皿など……各皿の背景やレシピを鮮やかに見せるとともに、やはり地元のヴィジュアルアーティストで知られるニコラ・ドゥヴォによる、ドラマティックなフィルムを画面に流して、ゴーティエの世界をまるごと映し出していました。

 また、チョコレート、デザート部門もそれぞれ階上の2つのサロンで開催。

 チョコレートは、ジャン=ポール・エヴァン、パトリック・ロジェ、デザート部門は、パリのホテル“ル・ムーリス”のカミーユ・ルセック、“マンダリン・オリエンタル・パリ”のティエリー・マルクス、スペイン・ジローナ“カン・ロカ”のジョルディ・ロカなども参加。これだけのシェフたちを3日間で一挙に呼び寄せることのできるOmnivoreの力にも感心しました。

 そうそう、“メゾン・ドゥ・ラ・ムチュアリテ”内には、3ツ星シェフのヤニック・アレノ監修のビストロ “ル・テロワール・パリジャン”が登場したこともお伝えしておきましょう。

 このイベントの前日にオープニング・パーティが開催され、会期中は名シェフたちが学食のように利用しており、なかなかの風景でした。素材中心がコンセプトの質のいいビストロです。

Le Terroir Parisien-Yannick Alléno
住所 Maison de la Mutualité 24 rue Saint Victor 75005 Paris
電話番号 01-44-31-54-54
定休日 無休

伊藤文(いとうあや)
パリ在住食ジャーナリスト・翻訳家。立教大学卒業。コルドンブルー・パリ校で製菓を学んだ後、フランスにて食文化を中心に据えた取材を重ねる。訳書に『ロブション自伝』『招客必携』(いずれも中央公論新社)、著書に『パリを自転車で走ろう』(グラフィック社)など。日本復興支援協会GANBALO代表。

 

Column

気になる世界の街角から

世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

text:Aya Ito