もはやアート!
花で彩る美しいお祭り

 花咲き誇る春。花々は、赤、青、黄……さまざまな彩りで私たちを楽しませてくれます。イタリアには、そんな色とりどりの花を使って絵を描くお祭りがあります。

自然の草花で描かれたインフィオラータの路上絵。

 路上に花を敷き詰めて絵を描いていくのですが、色鮮やかな花で道が埋め尽くされる様は、この世のものとは思えない夢のような美しさです。

インフィオラータの制作過程。

 今回は、花で彩られる美しき「インフィオラータ」のお祭りを、イタリアの小さな村からご紹介します。

インフィオラータの歴史をおさらい

 イタリアにおけるインフィオラータの起源は、17世紀中期のローマとも言われています。お祭りなどの際、道に花を撒き散らし飾る風習がもともとあったのですが、モザイクの技術を用いて、花で路上に絵を描き、キリスト教の祭日を祝ったのが始まりと言われています。

鮮やかな色が美しいインフィオラータの路上絵。

 色とりどりの花で飾られるこの美しい芸術的なお祭りは、その後各地へ普及していきました。今でもイタリアでは、ローマ近郊のジェンツァーノやシチリアのノートなど、各地でこのお祭りが催されています。

スペッロで開かれたインフィオラータの様子。風に飛ばないように、花のアートはテントのなかで制作されます。

 「イタリアの最も美しい村」に加盟しているスペッロも、このインフィオラータのお祭りを行っている場所のひとつです。次に、美しい村スペッロで行われた美しい花のお祭り、インフィオラータの様子をレポートします。

文・撮影=藤原亮子