視聴者を驚かせることに懸けた「イケパラ」

――その後、07年の「浅草ふくまる旅館」では、実家の旅館を継ぐ意思がない会社員という意外な役柄を演じていますよね?

 お父さん役で、今でもお付き合いさせていただいている西田敏行さんとの出会いが大きかった作品ですね。続編(第2シリーズ)の最後で、西田さんと長ゼリフを言いながらの泣きの芝居を10分以上1カットで撮るというハードルがあったんです。しかも、その撮影は、キャスト全員がクランクアップする直前だったので、恐ろしいぐらいのプレッシャーでしたね。

――同じ年には「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」にも出演されましたが、25歳を過ぎての高校生役はいかがでしたか?

 最初は「このドラマに出るべきでない。下の世代の若いコたちに出てもらった方がいい」と思っていたんです。でも、このときの監督さんが「エースをねらえ!」のときに、お世話になった監督さんで、「この役(空手の達人・天王寺恵)を演じられるのは、日本でお前しかいない!」と言ってくださったんです。その言葉に胸を打たれて出ることに決めました。僕は制服ではなく、ずっと空手着でしたね(笑)。ゲーム「鉄拳」の三島一八をイメージして演じながら、第一寮のメンバーをまとめて、アクション・シーンのカット割も決めたりして、いろいろ自分たちで作っていきましたね。たとえば、アイデアを出し合ってネタを作る。それをテストで監督に見せて、受けたらOK。短い出演シーンであっても、TVを観ている人を驚かせたかったんです。

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2012.04.06(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Miki Fukano