PITTI TASTEって何?
世界のメンズファッションの潮流を決めるコレクションとして名高い、フィレンツェの「PITTI IMMAGINE UOMO」。ファッションと同じくイタリアの偉大な財産である美食を、広く知らしめ、楽しんでもらいたいと、美食家のダビデ・パオリーニ氏の声がけで、PITTI IMMAGINE主催の食の祭典「PITTI TASTE」が初めて開かれたのが6年前のこと。以来、年を追うごとに盛況になり、今やしっかりフィレンツェの街に根付いている。
去る3月10日~12日の3日間、フィレンツェ市内の西側に位置する、旧駅庁舎を利用したイベント会場「レオポルダ」に、トスカーナを始め、イタリア各地から260の選り抜きの生産者が集まった。来場客数はトータルで約1万3500人と、その賑わいぶりは想像をはるかに超えるものだった。
美食のパラダイス
エントランスを入ると、まずディスプレイのセンスのよさに驚かされる。さすがデザインの国だ。
入場料は15ユーロ、さらに5ユーロを別の窓口で払うと、マイグラスがもらえる仕組み。黒い布製の袋に大ぶりのワイングラスを入れて首からさげ、いざ出陣! スプマンテやワイン、ビールからジュースまで、好きなだけ試飲ができるのだから、もうこれだけでテンションが上がる、上がる……そんなゲストを楽しませる仕掛けが実にうまい。
会場内の4本の通路には、それぞれ両側にびっしりと食材のブースが連なっている。オリーブオイル、パスタ、生ハム、サラミ、トリュフペースト、スプマンテ、チーズ、ビスコッティ、チョコレート、ジャム、エスプレッソ……。それこそ、ありとあらゆるイタリア食材が並んでいる。それを片端から試食できるのだから、イタリア料理好き、美味しいもの好きにはたまらない。まさに天国だ。
まずはスプマンテで喉を潤し、トリュフペーストをのせたブルスケッタをパクリ。ポルチーニのマリネをつつき、肉屋のおじさんが手切りしてくれる仔豚のローストを頬張り、農家製のチーズに赤ワインを合わせる。バルサミコのジャムをのせたヨーグルトで口直しをし、できたてジェラートに舌鼓、さらにオリーブオイルで焼き上げたパネトーネ、そしてエスプレッソとビスコッティでひとごこち……。おっと、グラッパもお忘れなく。う~ん幸せ!