今、話題の「IR(統合型リゾート)」を
マカオで先取り!

マカオ・コタイ地区のIR群。正面右がザ・ヴェネチアン・マカオ。

 近い将来、日本にも誕生する可能性が高まってきた「IR(アイアール)」。英語の「Integrated Resort」を略したもので、日本ではカジノを含む「統合型リゾート」の意味合いで使われるのが一般的です。

 IRといえば、カジノばかりがクローズアップされがちですが、実はごく一部にすぎません。ホテル、リテールショップ、飲食店、スパ・サウナ、コンベンション・エキジビションホール、コンサートホール、レジャー施設など、ありとあらゆる要素をひとつ屋根の下に集めた複合レジャー・エンターテイメント施設こそが、IRの正体です。

 そもそも現時点では日本に存在しないため、一体どのようなモノで、どのような楽しみ方ができるのか、なかなか想像がつきにくいのも事実です。

サンズ・リゾーツ・コタイ・ストリップ・マカオ。2分の1サイズのエッフェル塔がキャッチーなザ・パリジャン・マカオ。

 実は、世界的に大きな注目を集めるIR先進都市がアジアにあります。日本から直行便でおよそ5時間の距離にある中国の特別行政区、マカオです。かつては「マカオ=カジノ」のイメージが強かったかもしれませんが、21世紀に入って以降、新興埋立地のコタイ地区を中心に、アメリカや香港資本による個性豊かな大型IR施設が次々と誕生し、今ではすっかり複合レジャー・エンターテイメント都市へと変貌を遂げています。

ギャラクシー・マカオ&ブロードウェイ・マカオ。グランドリゾートデッキより俯瞰。

 マカオでは、IRのオープンラッシュが続き、海外からのインバウンド旅客が急増。面積約30平方キロ、人口約65万人の都市に、なんと年間3000万人以上が訪れるアジア屈指の人気観光都市となりました。IRは観光客を引きつけるだけでなく、地元マカオに暮らす人々の日常生活の場として定着しているのも注目すべき点といえます。

 いずれのIRも、明るく華やかなムードが漂い、ショッピングや食事を楽しむ家族連れの姿が多くみられ、いかにもギャンブラーという人の姿は逆に目立たないほどです。百聞は一見にしかずと言いますし、もし日本にIRができたら? という視点でマカオのIR巡りをしてみると、きっと新しい発見につながるはずです。話題性十分、マカオへIRを先取りする旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

 以下、マカオ・コタイ地区の主要IR施設を簡単にご紹介していきます。

文=勝部悠人(マカオ新聞)