観光客に魅力のイタリア食材店

店員と相談しながら

 スーパーにしても、市場にしても、イタリアの素晴らしいところは、自分の必要な分量だけ食べ物が購入できることだ。

 野菜、果物、ハム・サラミ類、チーズ、オリーブの実、お惣菜、パン etc.……。そのどれもが量り売りで買えるのだ。ビタミン補給にオレンジを1個、小腹が空いたときにリンゴをひとつと、ごく僅かな量をバラで買っても誰も嫌な顔はしない。

新鮮なフルーツやチョコレートも安い

 さらに値段も日本に比べて驚くほど安い! 私の家の近くの八百屋さんでは、オレンジ1kg 0.80ユーロ、箱で買えば5ユーロという驚きの値段。逆に言えば、イタリア人旅行客が日本のスーパーに足を運んで真っ先に驚くのが野菜や果物の値段の高さなのである。

 そんなイタリアの食材店を活用しない手はない。例えばランチにぴったりのパニーノ。バールには昼に向けて朝の内に準備された様々なパニーノが並んでいるが、スーパーの総菜コーナーや食材店では、好きな種類のパンを選び、ハム、サラミ、チーズ、ナスやトマトのオリーブオイル漬けなど、具に入れたいものとその分量を指定し、その場で自分好みの美味しいオリジナル・パニーノをつくってもらうことができる。気持ちのよい気候なら、パニーノ片手に公園へ繰り出してみてはいかがだろう。ちょっとしたピクニック気分が味わえるはずだ。

 また、スーパーや市場はお土産選びにも最適だ。調理の際にちょっと加えるだけで料理の味に深みを与えてくれるイタリアならではの香辛料。様々なタイプのパスタ。オリーブオイルやリモンチェッロのミニボトル。お土産の定番であるチョコレートも空港で買うより種類も豊富で安価だ。

スーパーでも必要な分量だけ購入できる

 ちなみに、日本ではまださほど知られていないことと(最近は日本でも通販で手に入るらしいが)、中にエスプレッソコーヒーが詰まっている(ウイスキーボンボンのエスプレッソ版というべきか)ところがイタリアっぽいというだけの単純な理由で、私は“ポケットコーヒー”というチョコレートをときどきお土産として持ち帰る。

 チョコレートとしての完成度が高いかと言えば大いに疑問だが、一応、アラビカブレンド100%だし(少なくともそう表示されている)、甘党でない人にも受け入れてもらいやすいし、ちょっとジャンクっぽいところも個人的に気に入っているのだ。

村本幸枝(むらもとゆきえ)
イタリアでは撮影コーディネートを、日本では東京・中央区で日伊文化交流サロン「アッティコ」を主宰。在伊歴20年ちょっと。現在、年の半分ずつをイタリアと日本で過ごしている

日伊文化交流サロン「アッティコ」:www.attico.net

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text&photographs:Yukie Muramoto