最高の食事と素朴で温かなもてなしと

◆ Storm Mountain Lodge(ストーム・マウンテン・ロッジ)

1922年に建てられた歴史的なログキャビンは、前オーナーから譲り受け、現オーナーのご主人がリノベートした。古いからこそ行き届いた掃除の気持ち良さが伝わる。お風呂には猫足のバスタブと雰囲気満点。
オーナーのキム・フレイザーさん。2003年にご主人とロッジを手に入れ、ご主人が他界された今もロッジを切り盛りしている。ゲストが快適に滞在できるよう心を砕くのが信条だそうだ。

 ハイウェイ沿いの入り口。見落としそうな森の中に、ロッジはひそむ。メイン棟の下にはリスの巣穴があって、ひょっこり顔を出してはゲストを迎えてくれる。客室用キャビンは16棟だが、うち12棟は20年代のもの。歴史的な味を残しながら、きっちりリノベートされたログキャビンは、快適そのものだ。

 が、テレビもWi-Fiも無い。暖炉の火と木の香り、時折の小鳥のさえずりがおもてなし。そこがポイントだ。

 そして、ゲストを歓喜させるのがロッジの食事だ。一度ここを訪れたゲストは、この食事に魅了されてリピーターとなる。みんなが“前回食べたアノ料理が食べたい”と注文するので、メニューは旬を生かしつつも基本は変わらない。とりわけ“バイソンのステーキ”は人気メニューだ。

左:人気の前菜シェアボード。鴨やバイソンのスモーク、鹿肉のパテ、スモークサーモン、ヤギや牛乳のチーズなどの盛り合わせ。希望のものを加えることも可能とか。これだけで満腹になりそう。32カナダドル。
右:バイソンのテンダロイン・ステーキ、季節の野菜添え 44カナダドル。IPAビールのソース。バイソンの肉はカルメン・クリークという名産地のもの。このロッジでは、できる限りフリーレンジの肉、天然の魚、オーガニックの野菜を使っているという。

 ロッジは雪深い冬でもオープンしている。はじめての冬営業は発電機が壊れ、トイレも使えず散々だった。シェフはダウンを着ながら薪で調理……。そんな悲惨な休暇となったゲストたちでも、リピーターとして戻って来る。宿泊したものの胃とハートを捉える、素敵な場所がここ、ストーム・マウンテン・ロッジだ。

左:レセプションやダイニングなどのあるメイン・キャビン。足元にはリスが住み、窓の上方にはハチドリがやって来る。小さなブティックの品揃えが充実していて、カナディアン・グルメなものが揃っている。
右:メイン・キャビンの暖炉前のラウンジスペース。夕食前のひとときは、ここで他のゲストと旅の情報交換。もちろんアルコールも注文できる。
左:このロッジには何気に可愛い動物の置物がある。これは鹿だが、ナプキンリングは小熊だ。
右:夏の繁忙期でも10人のスタッフが、部屋の掃除から何からまかなう。というわけで、リスが代わりに。ウェルカム。

Storm Mountain Lodge(ストーム・マウンテン・ロッジ)
所在地 Highway 93 South, Banff National Park, Alberta
電話番号 403-762-4155
客室数 16キャビン
料金 パインキャビン 219カナダドル~、ヒストリックログキャビン 229カナダドル~
URL http://www.stormmountainlodge.com/

【取材協力】
カナダ観光局

URL http://canada.jp/

アルバータ州観光公社
URL https://beta.travelalberta.com/jp

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Feature

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構成・文=大沢さつき
撮影=橋本 篤
コーディネイト=小野里直道(バンフガイドサービス)
協力=カナダ観光局、アルバータ州観光公社