スパ・ターミナスの目玉は、甘さ控えめの手作りジャム
さて、魅力溢れる食品を扱う業者が並ぶスパ・ターミナスのなかでも、美しいパッケージ・デザインで目を引くのが、ジャムの製造・販売を行っているイングランド・プリザーブスです。実は、とあるカフェでいただいたスコーンについていたイチゴジャムがあまりにもおいしく、お店の方に問い合わせて教えていただいたところ、それがこのイングランド・プリザーブスのものでした。甘すぎない、そしてフルーツが崩れていなくてごろごろと入っているフルーティーなジャムです。
店内には、ストロベリー、ラズベリー、ブラックベリー、クロスグリなど、英国らしいフルーツを使った定番が12種類、そのほかに各シーズン限定の商品も。パッケージは、1920年代のハードカバー書籍の表紙裏部分に使われていた「エンドペーパー」のデザインを使って、英国らしいクラフト感のある見かけが特徴です。
右:エルダーフラワー・コーディアルや、ストロベリーとローズオイルのジャムなど、季節限定商品もバラエティ豊か。
創業者のひとり、カイ・クナッセンさんのお話によると、スーパーマーケットで売られている大量生産のジャムは、日持ちさせる目的もあってフルーツと砂糖の比率が4:6でぐつぐつと煮詰めるのに対して、イングランド・プリザーブスでは、その比率を逆の6:4でフルーツを多くし、さらに煮詰めない秘密の製法を施しているのだそうです。
その代わり、「一度封を開けたら、冷蔵庫で保管し4週間以内に食べきってくださいね」とのこと。早く食べきれるように、スーパーで見かける平均的なジャムよりも、小さめのビンを採用しています。
スーパーのジャムよりも、ちょっと割高ではありますが、日本ではあまり見かけない英国らしいフレーバーが揃うので、お土産にもおすすめです。
England Preserves(イングランド・プリザーブス)
所在地 Arch No.2, 148 Spa Road, London SE16 4EJ
電話番号 +44-20-7064-1761
営業時間 9:00~13:30(土曜日のみ)
安田和代(KRess Europe)
日本で編集プロダクション勤務の後、1995年からロンドン在住のライター編集者。日本の雑誌やウェブサイトを中心に、編集・執筆・翻訳・コーディネートに携わる。
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文・撮影=安田和代(KRess Europe)