パリから列車でわずか数時間。豊かな田園風景が広がり、可愛い町や村が点在するロワール地方。フランスの原風景ともいうべき美しい光景にあふれるこの地方の最大の見所は、世界遺産にも登録されている古城の数々。

 観光名所になっている壮大な古城のほかにも、ロワールにはたくさんの美しい城が点在する。なかには、美味しい料理とフレンドリーなおもてなしで評判のプチホテルになっているところも。貴族が暮らした空間での憧れの滞在は、この地方を訪れるならぜひとも体験してみたい。

» 第1回 折り目正しい古城のおもてなし「シャトー・ド・ノワゼ」
» 第3回 王国ゆかりの修道院ホテル「フォントヴロー・ロテル」

◆ Château de Pray(シャトー・ド・プレ)

約800年もの歴史ある貴族の館

おとぎ話に出てくるような可愛いお城で、夢のようなヴァカンスを満喫できる。緑の庭園も美しい。

 アンボワーズ城から車で10分ほど。のどかな丘にあるシャトー・ド・プレは、13世紀に建てられた貴族の館。約800年にわたる歴史のなかで様々な華麗なる人々が暮らし、20世紀初頭には文豪アルフォンス・ドーデの妻が住んだことも。ロワールの古城ホテルでも豊かな来歴を誇る一軒だ。

左:夜になるとライトアップされる城館。
右:手作りパウンドケーキなどが並ぶ朝食も美味。
客室ごとにインテリアは異なり、8号室には天蓋付きベッドが。

文=矢野詔次郎
撮影=橋本 篤