さて、今回のイベント会場は、パレルモ中に点在する貴族の館のひとつ、ヴィッラ・トラビーア。1700年代に王侯貴族ルッケージ・パッリが建築し、1814年にパレルモの名門貴族ランツァ・ディ・トラビーア家のプリンチペ、ジュゼッペ・ランツァ・ブランチフォルティ伯の所有となった歴史あるお屋敷で、広大な敷地には、美しい建物のほか、バロック彫刻の噴水、南国調の木々が配置された庭園があります。そんな華やかな貴族の館で繰り広げられたのは、ザッツ・ジャパンなマエストロたちの伝統芸。
1200年の歴史を持つ京都府匠会の房撚紐師による実演や、未生流師範の生け花、能面彫刻、茶道や居合道のデモンストレーションなどなど。特に盛り上がったのは着物の着付け。着物は、イタリア人にとってみれば、知ってはいるけど構造を理解するのが難しいミステリアスな衣装。帯に至っては、「ベルトと背中にしょっているリボンは、別のものでしょう?」なんて質問が出るほど、遠い存在のものです。日本人でも見惚れてしまうほどの見事な帯さばきで、豪華な「花車」や「アゲハ蝶」などが完成した際には、拍手喝さいが大理石の床に響いていました。
Villa Trabia
Via Salinas3
電話番号 091-7405941
営業時間 月~土 9:00~19:00 日~13:00
※イベントスペースとして利用する以外は、マルチメディア図書館として開館。庭園内は開館時間中自由にお散歩できる。
岩田デノーラ砂和子
フリーライター・コーディネーター・イタリア語通訳。2001年より、イタリア在住。一昨年に首都ローマから、念願のシチリア島へ拠点を移す。メディアコーディネートおよび女性誌、WEBに執筆するほか、イタリア関連書籍多数。近著は人気シリーズ第3弾「街歩きのイタリア語」。Blog:「ローマの平日シチリア便り」最近加わったワンコとイタリア暮らしネタが話題!Official Website:Buonprogetto.com
text:Sawako Iwata