バルセロナのオペラ座、リセウ劇場で優雅なひと時

 一日じゅう人通りの絶えないランブラス通りのほぼ真ん中に位置する、リセウ劇場(Gran Teatre del Liceu)。1847年創立のこのオペラ劇場には、ヨーロッパを中心に根強いファンが多く、古くはマリア・カラスやモンセラット・カバリェ、プラシド・ドミンゴをはじめとする三大テノールはもちろん、最近ではフィリップ・ジャルスキーなど、世界的な人気歌手のオペラやコンサートを数多く行っている。

 年間を通して多彩なプログラムが組まれているので、バルセロナを訪れる際にはぜひスケジュールをチェックしてみよう。日本に比べ、ずっとリーズナブルな料金で素晴らしい舞台が楽しめる。

リセウ劇場の正面玄関。ランブラス通りに面し、オペラが終わるのが夜中近くになっても、辺りは大勢の人でにぎわっている。(C)Antoni Bofill
2015年、これから上演されるオペラは、「コジ・ファン・トゥッテ」(5月)、「ドン・パスクァーレ」(6月)、「ラ・トラヴィアータ」(7月)が予定されている。写真は2月に上演されたオペラ「ノルマ」の1シーン。(R) A Bofill

 さて、このリセウ劇場、現在の建物は1994年の火災を経て再建・増築されたものだ。その際に全焼したメインホールは、新しいテクノロジーを組み込みながらも、1847年に建築家ミケル・ガリガが設計したデザインを細部にいたるまで忠実に再現。6階に分かれた客席は計2292席あり、世界でも有数のキャパシティを誇っている。

オペラ以外にも、バレエやコンサートなどの充実したプログラムが年間を通して組まれている(8月を除く)。(R) A Bofill

文・撮影=坪田みゆき