近所のスーパーでは買えない缶詰のオンパレード
建築事務所がオープンしたレストランだけに、外観はもちろん、ダークな壁にグラフィックが美しい缶詰が並ぶインテリアが、チープな印象皆無のスタイリッシュな雰囲気。運ばれてきたメニューには、サバのチリソース漬け、フェンネル入りオリーブオイル漬けのツナなど、普通のレストラン並みのお料理の名前が並んでいます。一番高い22ポンドの缶詰は、殻付きアサリのガーリック・ソースとホタテのオニオン・ソースの2品。
10ポンドのガリシアン・オクトパスのオリーブオイル漬けをオーダーすると、間もなく、細かく刻んだフレッシュなチリ、パセリ、ロックソルトといった薬味と、オリーブオイル、パン、レタス、そして直径15センチほどのお皿に入ったタコがサーブされました。
店内で食するだけでなく、メニューの表示価格から2ポンド引きで、すべての缶詰が持ち帰りできるとのこと。スペインとポルトガルの缶詰がメインで、イギリス産のものは見つからず。スーパーには置いていない缶詰に特化している模様です。
このちょっと変わった缶詰レストラン、新聞などのメディアに取り上げられ、ちょっとした話題になっています。ロンドンのフリーペーパー「Metro」が、ウェブサイト上でレストランの紹介と同時に行っている「お金を払って缶詰の魚をレストランで食べますか?」という投票では、YESが18%、NOが82%(2014年10月6日現在)とのこと。確かにおいしい缶詰ではありましたが、このアイデア、英国人に広く受け入れられる日がくるのかどうかは、まだまだ未知のところです。
tincan
所在地 7 Upper James Street, London W1F 9DH
営業時間 月曜~木曜 12:00~23:00、金曜・土曜 11:00~23:00
定休日 日曜
URL http://www.tincanlondon.com/
安田和代(KRess Europe)
ロンドンを拠点とする編集プロダクションKRess Europeの代表。現在、ヨーロッパでの生活をテーマとした初めての電子書籍を刊行すべく、準備中。
文・撮影(2ページ目)=安田和代(KRess Europe)