1395年、イタリア北部にミラノ公国を建てた貴族ヴィスコンティ家のルーツはマッジョーレ湖の西岸にあるマッシノ・ヴィスコンティにある。この地で水運業を営み財を成し、ミラノに上っていったのだ。今でも邸宅、ヴィスコンティ城は残っている。
同じ西側にあるストレーザが、マッジョーレ湖の観光の起点になる。遊覧船が発着し、湖を見下ろせるロープウェー乗り場もある。ルンゴ・ラーゴと呼ばれる湖岸沿いの遊歩道では、皆思い思いの姿で過ごしている。
ヴィラ・エ・パラッツォ・アミンタ
Villa e Palazzo Aminta
朝から晩まで眺めていても飽きることのない景色を堪能
「マッジョーレ湖で一番美しいのはストレーザ。特にここはイゾラ・ベッラとイゾラ・ペスカトーレが見られる絶好のポジション」と誇らしげに話すのは、ストレーザ生まれのオーナー、ロベルト・ザネッタ。
確かにここからの眺めには、目を奪われる。朝から晩まで一日中見ていても飽きないだろう。灯りがついたボッロメオ諸島は、額縁に入れたいほどの忘れられない美しさだ。
アミンタをロベルトが買ったのは2000年だが、この建物には長い歴史がある。元は1918年にイタリア海軍最高指令官、フランチェスコ・カピーチェが王立海軍より購入した建物で、その妻の名が付けられた。ホテルとしては、65年前にわずか7室と1つのバスルームでスタート。現オーナーが購入した際は3ツ星ホテルだったが、4ツ星クラスに改装してオープンしようと考えた。ところが、セレクトショップを経営するハイセンスな妻に、「やるのであれば、絶対5ツ星に。他と差別化しましょう」と背中を押され、現在のエレガントでゴージャスなホテルが完成した。
撮影=橋本 篤
文=編集部
コーディネート=大平美智子