ローマ中心部から2キロ、緑に囲まれたトレ・フォンターネ修道院

首を刎ねられ殉教した聖人パウロの頭が触れた場所から3つの泉が湧き出した、というエピソードに由来するトレ・フォンターネ修道院。その場所には3つの教会が建てられている。

 ローマ中心部から2キロほど離れた緑豊かな広い敷地の中にあるトレ・フォンターネ修道院。「3つの泉」を意味するその名前は、この地で首を刎ねられ殉教した聖人パウロ(キリスト十二使徒の一人でローマの守護聖人)の頭が触れた、3つの場所から泉が湧き出したというエピソードに由来している。そのトレ・フォンターネ修道院が、2014年6月、敷地内にショップをオープンした。

トレ・フォンターネ修道院のメインエントランス。人が少ない平日の訪問がおすすめ。
今年6月にオープンしたトレ・フォンターネ修道院内のショップは、メイン門をくぐった左手前方にある。

 店頭に並ぶのは、修道院で穫れた農作物(一部は外部から調達)を原料にしたオリジナルレシピによる飲食料品(食後酒、ビール、ワイン、チーズ、オリーブオイル、はちみつ、コンフィチュール、チョコレート)や、ナチュラルコスメ(フェイスケア、ボディケア、オーデコロン、石けんなど)だ。

修道院ならではの趣ある佇まいの店内。店は年中無休で営業している。
左:種類豊富なはちみつやコンフィチュール(6.30ユーロ)も全て自家製だ。
右:リキュール、食後酒、オリーブオイル、コンフィチュール、はちみつ、ワイン、様々な商品を取り揃えている。

 修道院の門外には一部同じ商品を取り扱う委託ショップが現在も営業を続けているのだが、近い将来、直営店と合併され、規模を拡大した上でリニューアルオープンが予定されている。寄付金や割当金だけでは運営が困難な今日の修道院にとって、実はこういったサイドビジネスによる利益は大きな収入源のひとつとなっているのだ。

以前から存在する修道院門外の委託ショップ入口。近い将来、直営店に吸収合併される予定だ。

文・撮影=村本幸枝