上海の歴史を感じるアンティークガラス製品の魅力

キャンディーポット。一見洋風だが、モチーフは梅や牡丹、菊の花。

 時代を象徴する大量生産の型押しガラスは日常使いの生活雑貨。当時の暮らしを反映している。たとえば花瓶は、いずれもかなりの細身だ。生花が貴重だった時代、花を飾るといえばよくて数本か、あるいは造花であったため、小振りなのだという。また人気のキャンディーポットは、中国では主に結婚祝いに一対で贈る習慣だった。結婚のシンボルである「喜喜」が刻まれたキャンディーポットやマグカップが多いのもそのためだ。洋風なガラス製品に菊や梅の柄という組み合わせも上海という土地柄ならでは、だろう。

プレスドガラスのティーカップ&ソーサー2種。

 昔から上海人が多く住む街だけに、香港には上海料理、床屋、テーラー、刺繍のスリッパ等が今も伝統を保っている。プラスチック産業が発達したことで、ある意味ガラス製品にとどめを刺したかつての香港は、上海ほど豊富なガラス製品を持たない。米米のガラスは、久々に持ち込まれた上海もの、と言えるかもしれない。どこか懐かしさの感じられる、豊富な色と絵柄から、お気に入りを探したい。

米米
所在地 尖沙咀亞士厘道20號3樓
営業時間 土曜、日曜日 14:00~20:00

久米美由紀(くめみゆき)
東京より香港暮らしの方が長くなった在住フォトグラファー。街中だけでは飽き足らず、海の底、山の中のモノまで撮って、食べ尽くします。

Column

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世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

文・撮影=久米美由紀