リッチな味わいを、優雅にいただく

パリジャンブレックファスト(2600円)のパンはバゲット、ブリオッシュ、クロワッサン。

 本来、フランスやイギリスなどヨーロッパでの朝食は「コンチネンタルブレックファスト」と呼ばれ、コーヒーもしくは紅茶にパン、という簡素なものが知られています。ところがこちらはその名も「パリジャンブレックファスト」。グランド ハイアット 東京のダイニングレストランならではの5ツ星ホテルスタイルで、フレッシュジュース、フルーツ、上質なハム、スモークサーモン、カマンベールチーズもつきます。ハムはシャンパーニュ地方でつくられる「シャンパンハム」というものなのですが、切り立てのようなしっとりした食感と、旨みと塩味のバランスが絶妙。脂がのったスモークサーモンは、舌の上で旨みがとろけます。

ジャムとハチミツの小瓶。ジャムはイチゴ、オレンジ、ブルーベリー。

 こちらのレストランは朝食ビュッフェも有名ですが、この「パリジャンブレックファスト」はスタッフによってテーブルにサーブされるので、立ったり座ったりせずに落ち着いていただけるのもいいところ。スタッフに注いでもらった2杯目のコーヒーの香りを堪能しつつ、周りのテーブルを見渡せば、宿泊客だけでなく、女子会のグループも。ふわふわのパンケーキ、フレンチトーストなどスイーツ系の朝食メニューがテーブルに運ばれるたび、嬉しそうな歓声を上げるそのキラキラした姿は、カフェでおしゃべりに花を咲かせるパリジェンヌに重なります。平日の早朝に集まって女子会、という“朝活”も楽しそうですこと……なんて思いながら食べたクロワッサンは、たっぷりとバターを含んだリッチな味わい。卵の風味が豊かなブリオッシュには、ハチミツをつけてデザート感覚でいただきました。優雅、優雅。満足、満足。

 さて、ブリア・サヴァランの名言のように、「その人が何を食べているか」という情報から趣味嗜好が推理されるのであれば、こんな私の姿もパリジェンヌの姿に重なるはず? 自分を他人にどのように見せるかという「印象操作」が食べ物によってもできることに意識を向けて、必要に応じて「キレイに見える」料理を選んで、優雅にいただくのもアリでしょう(妄想です)。

 ちなみに、グランド ハイアット 東京の副総料理長のダヴィッド・ブランさんは、写真集のように美しい朝食本『GRAND HYATT TOKYO とっておきの朝食レシピ』を上梓したばかり。朝食は自宅派! の方は、こちらの本でパリの朝の空気を感じてみてはいかがでしょうか?

フレンチ キッチン
所在地 東京都港区六本木6-10-3 グランド ハイアット 東京2階

電話番号 03-4333-8781
営業時間 レストラン 6:30~21:30、バー 11:00~21:30
定休日 日曜日ディナー、月曜日(祝日は日曜ディナー、月曜ランチ営業)
メニュー パリジャンブレックファスト2600円、和朝食3700円、ブレックファスト ビュッフェ3700円、フレンチトースト ハチミツ添え1050円、バターミルクパンケーキ ベリー添え1050円 ほか

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小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。

Column

小松めぐみの“キレイになれる”レストラン

食べてキレイになれる一皿、見て美意識が刺激される一皿や、そこに行くためにはキレイにしなきゃと思えるレストラン。キレイのモチベーションを高めるお店や料理を、フードライター歴13年の著者がご紹介。

2014.02.07(金)