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マイクが心臓の音を拾うほど緊張しやすいタイプ

──それは昔からですか?

そうですね。昔から「自分を大事にする」ということは、自分へのキーワードとして、すごく大事にしているかなって思います。生活の質を上げるためでもありますし、仕事においても、緊張しすぎちゃうと、いいお芝居ってできないんですよ。

 私、こう見えてすごく緊張しやすいので……。緊張しすぎてマイクで心臓の音を拾ってしまって、音声さんにマイクの位置を調整していただくこともよくあります(笑)。

──いつも自信に満ちあふれていて、緊張とは無縁の方なのかと思っていました。

 そんなことはないです。今作でも二宮に迫る非常に重要なシーンで、マイクが心臓の音を拾っちゃって、音声さんに「ちょっとごめんなさい、マイクをずらさせてください」と指摘されるくらいものすごく緊張しちゃって、ご迷惑をおかけしました。

 でもそのいい緊張感があるからこそ、オンとオフにメリハリが持てるのかなとも思うんですよね。リラックスできる場所と時間をしっかり自分のなかで持っているからからこそ、いざオンのタイミングでは力まずに肩の力を抜いた状態で、お芝居ができるようにも思うので、そんないいサイクルを回していきたいですね。

──緊張とは無縁だと感じていた菜々緒さんが、いつも緊張と向き合っているというお話は、逆にすごく親近感がわきました。これからやってみたい役柄や、挑戦してみたい分野のなどもあればぜひ教えてください。

 そんなふうにおっしゃっていただけるなんて、光栄です。役者としては、自分がやりたい役を演じるというよりは、「菜々緒らしくない」役や、これまでにやったことのない役をやってもらいたいというオファーが来たら嬉しいですね。

 私はこれまで、悪女や心の強い女性を演じることが多かったので、そうではない、今までに演じたことのない役柄もやってもらいたいと言われるような女優に成長していけたらいいなと思っています。

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菜々緒(ななお)

1988年10月28日生まれ、埼玉県出身。近年の代表作は、2017年『銀魂』、2019年『マスカレード・ホテル』、2020年『ヲタクに恋は難しい』、2021年『地獄の花園』『土竜の唄 FINAL』、2022年『七人の秘書 THE MOVIE』、2023年『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』など。

映画『怪物の木こり』
12月1日(金)全国ロードショー

絵本『怪物の木こり』の怪物の仮面を被り、斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件。次のターゲットに選ばれたのは、弁護士・二宮彰。しかし彼は、犯人をも凌駕するほどの冷血非情なサイコパスだった! 警視庁の天才プロファイラー戸城、二宮の婚約者の映美、二宮の協力者であるサイコパス外科医・杉谷、過去の殺人事件の容疑者・剣持ほか、様々な人物の思惑が複雑に絡み合い、捜査は混迷を極めていく。犯人はなぜ脳を奪うのか。そして、なぜ二宮が狙われるのか。事件の謎を解き、犯人の正体を暴かなければ殺される......。極限状況に追い込まれた二宮の逆襲が始まる。狩るか狩られるか―狂ってる方が、生き残る!?

出演:亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦、染谷将太、中村獅童
監督:三池崇史
音楽:遠藤浩二
原作:「怪物の木こり」倉井眉介(宝島社文庫)
製作・配給:ワーナー・ブラザース映画
https://wwws.warnerbros.co.jp/kaibutsunokikorijp/

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2023.11.29(水)
取材・文=相澤洋美
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=浦上祐子(アーツ)
スタイリスト=金順華