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リップメイクのキホンQ&A

Q:リップメイクが全体の印象に果たす役割はなんですか?

A:リップアイテムはポイントメイク製品の中でも発色が良い特徴があるので、最小限の工程でがらりと印象を変えることができます。そういう意味では時短アイテムともいえるし、瞬発力があるともいえるでしょう

 また、色っぽさをアップしたいときにはやはりリップメイクが鍵になりますね。

 男性の場合は、女性よりもアイメイクなど他の部分のメイクが軽く、リップが必要以上に目立ちやすくなるケースが多いので、元々の唇に近い色を選ぶことをおすすめします。

Q:自分に似合うリップの色がわかりません。選ぶ際のコツはありますか?

A:メイクする前の、自分の“素”の唇の色がヒントになります。自分がもともと持っている色というのは、個性でもあるのです。その“リアルカラー”の延長線上で、色を強めていくイメージで選んでみてはどうでしょうか。

 具体的にいうと、唇の色が淡い人はヌーディなカラー、あざやかな色の人は彩度が高めのヴィヴィッドなもの、という具合です。

Q:リキッドタイプとスティックタイプの違いはなんですか?

A:どちらのタイプも、最近ではさまざまな質感のアイテムがありますね。特にリキッドはシアーでツヤのニュアンスを与え、唇の立体感を高めるものが多い印象です。アプリケーターつきなので、ブラシが不要で唇の細部にもつけやすいというメリットがあります。

 一方、スティックは発色が良く、きちんとした印象に仕上がるのが特長です。種類が豊富なので、自分に合ったものが見つけやすいメリットがあります。

 また、質感でいえば、ツヤは色っぽさを演出できますし、マットはシックで落ち着いた印象に導けます。トレンドのグラデーションメイクは、色が留まりやすいのでマットタイプのほうが簡単にできると思います。

Q:アイシャドウやチークとの合わせ方はどうしたらいいでしょうか?

A:チークとリップの色を合わせると、全体の印象がまとまりやすくなります。チークメイクは血色感を演出するものですから、自分の持っている血色の色に近いチークを選び、それに合わせるようにすれば、おのずとリップの色も決まると思います。逆に、アイシャドウとは合わせるというよりも、組み合わせを自由に楽しむのがいいのではないでしょうか。

 また、「ブルべ・イエベ」についてもよく聞かれるのですが、その時の気分で自由に色を選ぶ方が個人的には良いと考えています。どうしても気になる方は、例えばブルべの人は、ブルべカラーで全体をまとめつつ、アイシャドーの1 色だけをイエベカラーで変化をつけることで目を引くメイクに仕上げることができます。

 選択の幅を広げるためにも「ブルべ・イエベ」にこだわりすぎず、色々チャレンジしてみてほしいです。

Q:気づくとリップメイクが全部落ちています。落ちにくくするためのコツを教えてください。

A:口紅を塗る前に、ファンデーションを仕込むテクニックをご紹介します。スポンジにファンデーションを少量とり、唇に軽くなじませましょう。ファンデーションによりセミマットな質感になるので、口紅がずるずると動くことを防げます。

 また、そもそも口紅の色がのりにくいと感じている人は、鮮やかで深みのある色を選ぶか、マットなテクスチャーのものを選ぶのがおすすめです。

Q:唇が薄くてリップメイクを楽しめません。ボリュームアップして見せる方法はありますか?

A:多くの人が持っている悩みですよね。オーバーリップに描くのはちょっと難しくて失敗しがちなのですが、実は簡単にできる方法があります!

 それは、口紅と同系色のアイシャドウの粉を仕込むこと。唇のアウトラインの1.5ミリほど外側を、アイシャドウを含ませたブラシでなぞるだけです。わずか1.5ミリですが、ご自身が見ると、印象が激変することがわかると思います。口紅やリップライナーでやるよりずっと簡単な裏技です。

2023.09.10(日)
文=増本紀子
撮影=釜谷洋史