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同じ基地には和歌山にいた桜浜&桃浜も

 多くの人を虜にするジャイアントパンダの和花。どうすれば会えるのでしょう。コロナ禍を経て、外国人観光客の訪問が簡単ではなくなった中国。実際に訪れてみた時の様子を詳しくご紹介します。

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 和花(ホーファ)がいる「成都ジャイアントパンダ繁育研究基地」(以下、成都基地)は、四川省・成都市の郊外にあります。成都の中心部から約10キロ、双流国際空港から約30キロ、天府国際空港から約50キロの距離です。天府国際空港は2021年6月に開港した綺麗な空港で、筆者は今回、初めて利用。あちこちにパンダのイラストやオブジェがありました。

 成都基地へ行った2023年6月11日(日)は、地下鉄「動物園」駅の近くに泊まっていたので、そこからタクシーに乗って成都基地へ向かいました。かかった時間は約10分、料金は17元(約340円)でした。

 ちなみに「動物園」駅の近くには「成都動物園」があり、前日にそこで陽浜(ようひん)を観覧しました。陽浜は、和歌山県のアドベンチャーワールドで2010年8月11日に生まれ、2017年6月に中国へ渡ったメスのパンダ。当初は成都基地にいましたが、成都動物園に移りました。こうした中国国内のパンダの移動は珍しくありません。

 成都基地の入口は2カ所あり、人が多いのは「南大門」。パンダをモチーフにした巨大な入口がそびえています。筆者も南大門の前でタクシーを降りました。到着したのは午前7時20分。開園まで10分しかありません。ギリギリに来たのは、筆者の予約内容だと自動ゲートを通れないので、早くから並んでも意味がないのでは?と考えたためです。

 実は、成都基地の入場方法は4月23日(日)から大きく変わりました。成都基地の4月18日(火)の発表によると、「動物の福祉と観客の安全確保」などのため、実名によるオンラインでの予約・購入制を採用し、オフラインでの窓口のチケット販売をやめるとのことです。

 入場制限も始めました。1日に予約できる人数は、午前(7時30分~12時)、午後(12時~17時)の入場で3万人ずつ、計6万人が上限。大人一般の入場料金は一人55元(約1,100円)です。

 実名制の導入によって氏名や行動を把握されてしまいますが、成都基地では迷惑行為の取り締まりに役立っています。和花の人気などで観客が増えた半面、パンダのいる場所に物を投げ入れるといった迷惑行為が相次いでいるのです。

2023.08.24(木)
文・撮影=中川美帆