KEENと西表島との出会い そして「Us 4 IRIOMOTE」プロジェクトの誕生

 西表島に通う度に、この島に魅了されたというKEENの井上泰子さんが語る。

 「西表島に訪れ、その雄大な自然とユニークな文化にすっかり魅了されました。一方で、地域の方から近年、私たちツーリストによって起こる課題があることも知りました。

 この素晴らしい自然と文化をたたえた島を、次世代にも継承していくために“ツーリストの立場からできることはないだろうか”と構想2年を経た2019年、旅先への敬意と思いやりを忘れない『エシカルな旅』を提唱するUs 4IRIOMOTEプロジェクトをスタートしました」

 エシカルな旅とは、例えば旅する前に旅先の「今」をよく知っておくこと、自然や文化について興味を持つこと、感動を与えてくれた島のものをお土産に購入したり、ごみになるものを持ち込まない、余裕があればビーチにあるごみを拾ってみるなど、旅人でも無理なくできる小さな配慮を忘れない旅のこと。

「旅先の自然や文化、暮らしへの敬意と思いやりを持って旅すれば、不思議とその土地との心の繋がりが強くなり、旅がもっと深く、もっと楽しい思い出になることを実感しています」

自然への小さな恩返し 530(ゴミゼロ)アート・プロジェクト

 西表島の漂着ごみ問題を楽しみながら解決することを目的にした、Us 4 IRIOMOTEの活動のひとつである「YAMANEKO 530 ART 」を体験しました。これは観光客が漂着ごみを利用してアートを創る参加型環境保護活動です。

 近年、海のプラごみ問題が世界中で大きな問題になっていますが、西表島にも多くのごみが漂着しています。「西表エコプロジェクト」をはじめとする地元の有志ボランティアやNPO、行政などの恊働による海岸清掃活動が定期的に行われていますが、増加傾向にあるごみは、回収が追いつかず、やがて5ミリ以下のマイクロプラスチックとなり、海辺の生物が食べたり、有害物質が土壌や水脈に浸透するなどして島の生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されています。

 そんな現状をほんの少しでも解決できる、このプロジェクトへの参加は簡単。まず、旅の途中でビーチに立ち寄って小さなプラスチックゴミを拾ってみる。そして、島内に設置されている「YAMANEKO 530 ART」BOXへ。一人ひとりが小さな「行動」を積み重ねたらソーシャルアートが完成する仕組みです。

 このビーチの現状は、私たちの便利な生活と繋がっています。西表島が教えてくれる「地球人としての私たちの課題」を知って、私たち一人ひとりが、日々の生活で自分のできるアクションを見つけていきたいですね。

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キーン・ジャパン合同会社

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2023.07.16(日)
文=天野真由美
写真=佐藤 亘