ヨーロッパでいちばん
ストリートフードが美味しい街は？

知る人ぞ知る「パネッレ＆コロッケバーガー」

揚げたてのパネッレとコロッケがふかふかパンの間に！

 続きましては、パニーノ・コン・パネッレ・エ・クロッケー。パレルモの郷土料理である、ひよこ豆のペーストをフライにしたパネッレと、ホクホクのコロッケを挟んだ地中海風のコロッケパンです。揚げたてのところにレモンをギュッと絞り、塩をバサッと振りかけた豪快なパニーノは、パレルモでしか食べられないストリートフードのひとつ。食いしん坊の意地が生みだしたともいうべき見事なハーモニーは、一度味わったらやみつきです。

左：街角にあらわれるスフィンチョーネ売りの屋台
右：基本は具を上にのせたタイプや、間に具を挟んだものがあるスフィンチョーネ

 スフィンチョーネと呼ばれるピッツァもパレルモ名物。サックリとした厚めの生地に、ほんのり甘く酸味のあるトマトソース、玉ねぎ、アンチョビ、オレガノなどをのせて焼き上げたもので、モチモチとしたナポリ風や、パリっとした食感のローマ風とはまた違う、ピッツァのおいしさを楽しめます。

 これらのストリートフードは、専門店やバール、屋台があり、旅行者でも比較的アクセプトしやすいのも魅力。さらに市場に行けば、タコの煮込みスープ、ポリポや、羊や牛の腸をグルグル巻きにして炭火で焼いたスティッギオーレ、仔牛の関節や骨についた肉などを長時間煮込んだフリットラ、カタツムリを茹でてオリーブオイルとニンニクなどで味付けしたバッバルーチなど、ディープな美味にも出会えます。

ロスティチェリアと呼ばれるタイプのお店にも、ストリートフードがぎっしり

 ストリートフードは、パレルモの伝統。朝から夜まで、あちこちで食べ歩く人が見られます。全体的にやや太り気味の人が多いのも仕方ないような気にさえなるストリートフードの数々。いつか訪れたときには、ぜひ一度お試しを！ 個人的には、パニーノ・コン・パネッレ・エ・クロッケーがイチ押し。なかでも島内きっての名店Nni Franco ù Vastiddaruのものがおすすめです！

岩田デノーラ砂和子
フリーライター・コーディネーター・イタリア語通訳。2001年より、イタリア在住。メディアコーディネートおよび女性誌、WEBに執筆するほか、イタリア関連書籍多数。近著は人気シリーズ第3弾「街歩きのイタリア語」。
ブログ:「NEWローマの平日シチリア便り」最近加わったワンコとイタリア暮らしネタが話題！
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