正直、何を購入するべきかというと…

 ただ、すでにiPhone 14シリーズの実機を触っている身としては、正直言って「iPhone 14は買い」とお勧めしにくいと思っている。

 なぜなら、従来機種に比べて劇的な進化に乏しく、これであれば、iPhone 14が登場したことで値下げになった従来機種であるiPhone 13やiPhone 12などを買った方が「賢い買い物」ができるんじゃないかと感じているからだ。

 実際のところ、従来機種となるiPhone 13と最新機種のiPhone 14では、見た目のデザインは全く変わっていない。中身においても、iPhone 14に搭載されたチップセットは「A15 Bionic」という従来機種であるiPhone 13 Proと同じものだ。実は写真関連の処理が向上しているが、よく比べないことには一般的には違いはわからないだろう。

 いま、使っているiPhoneが4年ぐらい前となるiPhone XRやXSであれば、iPhone 12やiPhone 13に乗り換えるだけで充分に進化を感じられる。いずれも型落ちなので、すでに値下げされているし、場合によってはキャンペーンでかなりお手頃な価格で売られていることもある。なにも焦って最新モデルであるiPhone 14を買う必要はないのだ。

なぜAppleはiPhone14を発売したのか

 アップルの販売戦略が巧みなのは、すべての人に最新機種を買わせるという前提にはなから立っていないという点に尽きる。

 もちろん、毎年のように新製品を出しているのだが、それらは「アップル信者」と呼ばれるような、とにかくアップルが新しい製品を出せば必ず予約して買ってくれる人を狙い撃ちにしている。

 毎年、新製品を出すことで話題を振りまきつつ、一般のユーザーには型落ちとなり、安価になった製品を買ってもらうことでシェアを拡大していく戦略を、アップルは世界で展開している。

 

2022.09.27(火)
文=石川 温