「2週間に一度、掃除機でフィルターのホコリを除去して目詰まりを解消しましょう。キッチンとエアコンが同じ空間にあるワンルームや、キッチンの近くにエアコンが設置されている部屋はフィルターに油も付着しやすいので、汚れがひどい場合は中性洗剤を溶いたぬるま湯で水洗いしてください」

 また、室内機の内部は、空気を冷やす際に発生した結露によって“カビ”が繁殖しやすい環境になっている。とくにカビは、嫌なニオイの原因になるという。 

「一般的なエアコンは、冷房運転や除湿運転の後に、自動で室内機内部を乾かしてカビやニオイの発生を抑える運転を行います。こうした運転を止めてしまわないようにご注意ください。それでも嫌なニオイがするときは、汚れがひどくなっているサイン。

 ただ、過去にユーザー自ら室内機の内部を洗浄して、火災が発生したという報告(*)もあり、セルフで洗浄するのは非常にキケン。トラブルを避けるためにも、エアコンのクリーニングは専門業者に依頼しましょう」 

(*)…参考:独立行政法人 製品評技術基盤機構 エアコン「4.内部に洗浄液がかかりトラッキング現象で発火」(https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/1252.html) 

 

設定温度を下げるのは「最終手段」

 そして、エアコンを操作するリモコンも重要な節電ツールだ。まず、温度設定は「低すぎない温度」に定めるのが鉄則。

「設定温度を低くしすぎると、室温がその温度に達するまでに、多くの電力がかかってしまいます。環境省が推奨する“室温28℃”を目安にしつつ、温度計も見ながら自分が過ごしやすい設定温度を探ってみてください。そして風向は『上向き』や『水平』に設定して“温度ムラ”を解消しましょう」

 温度ムラとは、天井と足元の室温に差が出ている状況を指す。冷たい空気は暖かい空気に比べて重く、暖かい空気を天井に押し上げる性質があり、ひとつの部屋の中で温度にムラができてしまうのだ。

2022.08.13(土)
文=清談社