地域の食材を用いた会席料理と、創意あふれる蕎麦

 最後に、温泉旅行と言えば食事も楽しみの一つ。ここでは地域で親しまれている食材を用いた会席料理が味わえます。日本通の台湾人美食家たちを満足させるだけでなく、日本人の目にも新鮮に映る個性的な料理が楽しめます。

 2022年3月に就任した加川仁総料理長は、ニューヨークやシンガポール、神楽坂の名店で腕を振るってきた人物。「旅は魔法」と題し、一皿ごとに「旅」を連想させる料理の世界を創り上げています。

 例えば「越境」と名付けられた料理は、清らかな渓流で育てられたチョウザメにメレンゲを加え、アワビや琥珀餡と一緒に蒸したもの。ふわふわとしたチョウザメのスフレと弾力のあるアワビの組み合わせが絶妙で、さらにコクのある琥珀餡が風味を添えています。

 加川総料理長によれば、台湾の食材は日本に比べると手をかけすぎず、自然な状態で売られていることが多いため、その良さを際立たせるためには日本とは別の気遣いを要するとのこと。そんな中で、それぞれの素材の個性を引き出し、シンプルな中にも奥深さが感じられる料理を作り上げています。

 また、加川総料理長は好奇心が旺盛な方で、地元の優れた食材を探すことにも熱心です。今後も次々と新しい料理が生まれてくるに違いありません。

 プラン最終日のランチには「冬瓜(トウガン)の涼風そば琥珀ジュレ仕立て」が供されます。冬瓜には暑さを和らげる効果があり、これをくり抜いた中に蕎麦とジュレ状の出汁が入っており、見た目も斬新です。

 蕎麦の上には冬瓜やオクラのほか、ミネラルを補給できるボタンエビやアワビ、ウニなどがのっているという贅沢な一品です。夏バテ気味な体にパワーを注入できます。

 今回紹介したのは、2022年9月末までの春夏限定プラン。秋冬には温活やハイキングなどを盛り込んだプランが実施される予定です。さらに来年夏には、タイヤル族のスタッフが土地の歴史をレクチャーしたり、川遊びをしたりするプランも計画中だとか。

 ハード面、ソフト面両方の魅力が詰まった「星のやグーグァン」。日本式の細やかなおもてなしと台湾らしいフレンドリーなサービスが心地よく、日本と台湾の良さを融合させたハイブリッドなリゾートとなっています。

 今後も地元の優れた文化や物産などを積極的に取り入れていくとのことなので、機会があれば季節を変えて訪れたいところ。次の台湾旅行では、これまでとはちょっぴり異なるラグジュアリー体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「沐暑リゾート滞在プラン」

期間 開催中~2022年9月30日(金)
料金 1組 26,250元 (税込サービス料別、宿泊料、朝食、2日目の夕食は含まない)
含まれるもの 会席料理、風の晩酌、手作り愛玉ゼリー体験、温泉貸し切り、スパ「調」、水辺の草花散策、ランチ(すべて1回ずつ)
定員  1日1組(2名限定)
予約 公式サイトにて7日前正午まで受付
対象 2泊以上の宿泊者
備考 入荷状況により、食材や飲み物が異なる場合あり。

星のやグーグァン

所在地 台中市和平區博愛里東關路一段温泉巷16號
電話番号 0570-073-066(星のや総合予約)
チェックイン 15:00/チェックアウト 12:00
料金 1泊18,000元~(1室あたり、税・サ―ビス料別、食事別)
アクセス 高鐵台中駅から車で約1時間30分
https://hoshinoya.com/guguan/

『bunshun trip e-guideときめく台湾みやげ』

CREA WEBの人気連載が電子書籍に! 台湾茶にパイナップルケーキ、自然派コスメにかわいい雑貨まで。買いもの天国の台湾だからこそ、おみやげはセンスのいいお店で選びたいもの。そこで、台湾在住20年のコーディネーター&ライターが台北のとっておきの「アイテム×ショップ」リストをご紹介します。これさえあれば台湾みやげは完璧です!

著 片倉真理 Kindle版(電子書籍)
500円(税込) ※電子書店によって異なる場合あり
文藝春秋
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片倉真理 (かたくら まり)

台湾在住ライター。1999年から台湾に暮らし、台湾に関するガイドブックや書籍の執筆、製作に携わる。そのほか、機内誌への寄稿や女性誌のコーディネートなども手がけている。


著書に『台湾探見 Discover Taiwan-ちょっぴりディープに台湾体験』(ウェッジ)のほか、共著に『台湾旅人地図帳』(ウェッジ)や、『食べる指さし会話帳・台湾』(情報センター出版局)、『台湾で日帰り旅 鉄道に乗って人気の街へ』(JTBパブリッシング)など。最新刊は2022年3月刊行の『悠遊台湾2022-2023』。

2022.08.02(火)
文=片倉真理
撮影=片倉佳史/星のや グーグァン(料理長写真)