バルクフーズ専門スーパーに行ってみよう!

 今、オーストラリアのサステナブルライフを語る上で、はずせないのが「バルクフーズ(量り売り食品)」。それを身近なものにしたのが、オーストラリア各地に展開している「ザ・ソース・バルクフーズ」。

 今回はゴールド・コーストのショップへ出かけてみました。

 こちらのお店の原点となるのが、創始者であるポールさんとエマさんのご夫妻が2007年に始めた小さな自然食品店。当時、すでにオーガニックをはじめ、良質な食品に対する意識は人々の間で高まっていましたが、カーボンフットプリントまで考える人はあまり多くありませんでした。

 使い捨て容器やラッピングなどの廃棄物をゼロにできないか……。そこで「ザ・ソース・バルクフーズ」をスタートさせました。

 同じ思いを抱いていた消費者の熱烈な支持を受けて、わずか10年でオーストラリアはもちろん、ニュージーランドやイギリスなど各地に60店舗以上を展開するまでになったのです。

 店頭にはさまざまな商品がずらり。食品のほかにも、オーガニックハーブから作られたボディウォッシュや台所洗剤などが。

 そして、なんといってもこちらの ”売り” は、量り売りのオーガニック食材。

 扱っている食品は約400種。地域の生産者さんのものを多く仕入れながら、お客さんのニーズに合わせて世界各国から取り寄せたものも。

 お米のコーナーも、リゾット作りに欠かせないアルボリオ米、タイの高級米ジャスミンライス、インドやパキスタンの食卓に欠かせないバスマティ米など多彩。世界の食文化が凝縮しているオーストラリアならではです。

 欲しい食品があったら、必要な量を自分で計って紙袋やガラス製のジャーに。

 日本でも少しずつ増えてきているバルクフーズのお店。その一歩先を行くスタイルがオーストラリアにありました。

2022.06.20(月)
文=矢野詔次郎
写真=鈴木七絵
協力=オーストラリア政府観光局