器、和紙、打刃物……
福井のモノ作りの奥深さを巡る旅へ

　せっかく旅をするなら、まだ見ぬ日本に出合いたい……。

　そう考えている旅好きの皆さまに今、断然おすすめが福井県。これまで知らなかった素敵な文化が息づいています。

　福井の“すごい”を2回に渡りご紹介。

越前焼約850年の伝統が生み出した究極の器

◆越前焼の館

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　今まで知らなかった日本にたくさん出合える福井。伝統工芸の世界にも驚きの発見がいっぱいだ。

　平安時代からの歴史を受け継ぐ越前焼では、正統派の器作りを守る職人から、独自の感性で新境地を拓く作家まで、多彩な作り手が活躍。

　なかでも注目が、光窯の司辻(かさつじ)健司さん。これまで不可能とされてきた厚さ1ミリ以下という究極の薄さを追求した盃で、新時代の“匠の技”を完成させたのだ。

　実際に手に取れば、そのすごさが分かる。25グラムにも満たない未体験の軽さで、繊細な口当たりも素晴らしい。「越前焼の館」などで購入できる。

　日本六古窯に数えられ、約850年もの伝統を誇る越前焼。その歴史に新たな1ページを開くのが“越前薄作り”。

　越前焼ならではの焼き締めの風合いを残しながら、究極の薄さを実現。軽やかで繊細な口当たりに驚くばかりだ。

Edit & Text＝Shojiro Yano
Photographs＝Junko Ueda、Shojiro Yano