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 フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんが一日一花、暮らしが華やぎ、活力をもらえるおすすめの花をナビゲート。今日は、花を飾ってみませんか?

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3月10日の花はスイセン「ジョンキルスイセン」

 年末からはじまったスイセンのシーズンもそろそろ大詰めです。

 いち早く姿を見せるのがニホンズイセン、年明けに早春を告げる音を響かせるのがラッパズイセン、そして最後を飾るのは「ジョンキルスイセン」です。

 ジョンキルスイセンは「香りのジョンキル」とも言われ、甘みの中に柑橘系の爽やかさが混ざった強い芳香が特徴で、香料として利用されています。

 スイセンの英名はナルキッソスで、ナルシストの語源となったギリシャ神話に登場する美少年の名前がついています。

 若さと美しさを兼ね備えた彼は傲慢な態度で神々の怒りにふれ、自分だけしか愛することができないようにされてしまいます。

 その後、泉に映った自分の姿に恋をし、口づけをしようとして泉に落ちて死亡してしまい、彼が死んだ後に咲いていたのが一輪のスイセンの花だったと言われています。

 可憐な姿で咲くスイセンですが、実は毒性があるという一面もあります。

 甘美と毒が表裏一体となったスイセンは、まさに自己愛や自己陶酔を体現している花と言えるでしょう。

【スイセンの花言葉】自惚れ、エゴイズム、片想い、気高さ、自尊心
【スイセンが誕生花の人】1月3日、1月4日、1月13日、12月29日生まれ

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佐藤俊輔(さとう しゅんすけ)

フラワーデザイナー。大手百貨店退社後、花の世界へ。2014年モナコ国際親善作品展国内選考会で特別賞を受賞。'17年「女性自身」(光文社)、’19年日本最大級の花材通販「はなどんやアソシエ」にて季節のアレンジメントを連載。’20年から、CREA WEBにて「Playful Flower Life!」連載中。

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フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんが一日一花、暮らしが華やぎ、活力をもらえるおすすめの花をナビゲート。花にまつわるトピックスや飾り方などもあわせて紹介します。今日は、花を飾ってみませんか?

 

2022.03.10(木)
文=佐藤俊輔
イラスト=佐藤弘昌