国内屈指のリゾート地、沖縄県石垣島。東京から直行便で約3時間半ながら、空港に降り立った際に感じる暖かい空気や、柔らかく包み込んでくれるような風を浴びると、国内だということを一気に忘れさせてくれます。

 ほとんどの人が石垣島に足を運ぶ理由はバカンスでしょう。彩度の高い海、やわらかでゆったりとした島時間……癒しを求めて多くの人を魅了し続けている場所ですが、実は環境問題にも力を入れていることをご存じでしょうか。

 島の未来のため、そして現在暮らしている人や動物たちの幸せを願って、熱い想いを胸に抱き、アクションを起こしている人々がいます。

フルーツの恵みを全身で感じられるスムージー

◆KOPPARI

 南ぬ島石垣空港から車で20分ほど走ると、ひときわ目立つエメラルドグリーンのお店が目に飛び込んできます。フローズンスムージーのお店「KOPPARI」です。

 KOPPARI(こっぱり)とは、石垣島の方言で「氷菓、氷」という意味。

 ここでは、島で収穫されたフルーツの冷凍加工販売を行うほか、スムージーを堪能することができます。

 店主の宇根さんにKOPPARIを始めたきっかけを伺うことができました。

「事業をスタートさせたきっかけは、傷がついて市場に出られないフルーツをどうにかしたいという想いからでした。そのうちコロナウイルスの影響で観光産業の落ち込みはもちろん、航空便の減便によって出荷ができなくなり、行き場を失った農作物も多く、島の経済は大打撃を受けました。

 フルーツはもちろん、島の経済も何とかしたい! と、特殊冷凍ができる機械を導入し、無添加でも鮮度を保ったフルーツを県内外に送り届けることができるようになりました。僕たちの想いがお客様に少しでも伝わっていると嬉しいですね」。

「パイナップルのヘタや、サトウキビの搾りかすは通常だとごみになってしまうのですが、私たちは牛の餌にしたり、たい肥化してその畑で作物を作っています。ごみになるものが出ないように、循環させることをものすごく大切にしています。

 店で使用しているストローはパイナップルのヘタを再生したもので、今後はフタも脱プラスチックを目指しています。なるべく土に返したいんです」。

 店頭のほか、ANAインターコンチネンタル石垣リゾートのカフェ「PALETTE Terrace Lounge」ではKOPPARIのフローズンフルーツを使った特別コラボのジュースが味わえます。

 石垣島の太陽の恵みを受けて育ったフルーツは、ぐんと濃厚で甘みと酸味が絶妙なバランス。暑さでカラカラになった体に染み渡る美味しさです。 

KOPPARI

所在地 沖縄県石垣市平得377-1
https://koppari.net/

2022.01.28(金)
文・写真=CREA編集部