ジェラートのパニーノ「ブリオッシュ・コン・ジェラート」

ブリオッシュにジェラートを挟んだブリオッシュ・コン・ジェラート

 日本でもすっかりお馴染みのイタリアン・ジェラート。その起源はシチリア島にあります。9世紀頃、アラブの統治を受けていたシチリアで、エトナ山の氷にフルーツを加えてアラブ人たちが作ったシャーベットが、現在食べられているジェラートの原型と言われています。

老舗バール「アンティコ・カッフェ・スピンナート」のグラニータ・ディ・カッフェ・コン・パンナ

 歴史的にもジェラートとの関わりが深いシチリア。それだけにジェラートの存在は身近で、ほかのイタリアの地域では見られない、独特な楽しみ方があります。

 シチリアならでは、のジェラートの食べ方として知られるのが、ブリオッシュ・コン・ジェラート。ブリオッシュとは、シチリアではふわふわしたほんのり甘いパンのこと。コーンやカップもありますが、このブリオッシュに、ジェラートをたっぷり挟んでいただくのがシチリア流。いわば「ジェラートのパニーノ」です。最初はちょっぴりギョッとしますが、食べ慣れてくると、意外や意外、組み合わせの妙にはまります。

 栄養価も高く、フルーツ系ならビタミンもたっぷりのジェラートを挟んだパニーノは、冷たく食べごたえもあり、食欲減退しがちな暑い日のランチには最適。ときには夕方のおやつや夕食、そして夜食になることも。えっ、カロリー? 夏のシチリアでは、そんなつまらないことは、話題にものぼりません! ジェラートは快楽的に楽しむ。それもまたシチリア流です。

バリエーション豊富なグラニータ。オレンジ×レモンなどハーフ&ハーフも注文できる

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