犬と一緒に初フライト!

お散歩途中にふらりと入れる犬同伴OKのバールやショップが多いイタリアの街

 イタリアにも愛犬家は多く、街を歩けば、そこここで犬連れを見かけます。屋外のみならず、リストランテやバールのなかでも! 足元に可愛いワンコを侍らせて、食事やおしゃべりに興じるイタリア人たちの姿を見ると、いかにも西欧的風景ね……などと感心する前に、犬を飼っている人なら誰でも「このお店、犬もOKだったの?」とまっさきに思うはず。

 実際のところ、多くのお店や飲食店で犬同伴はOKです。マナーとして入店前や予約の際に同伴可能かを尋ねますが、基本はNGでも抱っこしていればOKにしてくれたり、テラス席を用意してくれたり。イタリアらしいマニュアルに縛られない現場対応力で、店側が配慮してくれることもしばしばあります。バスや地下鉄といった公共の乗り物も、リードとマズル(口輪)があれば乗車可能(中型犬まで、ひとつの車両内に1頭まで、など各市により条件は異なる)。最近は、「賃貸住宅におけるペット不可の表示不可」などという法律もでき、ますます犬連れに寛容な空気が漂うイタリアです。

 どこにでも連れて行きやすいとなると、旅行にだって連れて行きたくなるのが飼主の性というもの。シチリア島の州都パレルモに暮らす我が犬、年末年始のバカンスで初の飛行機旅行を体験致しました。我が家のケースで恐縮ですが、「犬と飛ぶイタリア」。リアルレポートをご紹介します。

左:ケージを買いにペットショップへ。体高60センチの中型犬用は、気軽に持ち運べない大きさ
右:ブログでお馴染みの我が犬“ボンヌフ・タケシヤマト・デ・ノーラ”(通称ボンちゃん)

 利用した航空会社はアリタリア航空。パレルモからミラノへ、約1時間30分の空の旅です。同社の規定は、ケージを入れて10キロまでが機内、それ以上は貨物室。15キロの我が犬は、貨物室行きです。空を飛ぶ……。ただでさえ犬の身体には相当な負担がかかる上、エンジン音が響く貨物室で、耐えられるのだろうか?

 獣医に相談すると、「健康の問題はないだろうけれど、心が心配」とのこと。トラウマにならないように精神安定剤の服用をすすめられました。日本ではあまり利用されないようですが、イタリアでは一般的なアドバイスのようです。

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